江東区議会議員 中島雄太郎

江東区議会議員|中島雄太郎

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江東区千石データセンター ―10月16日の委員会で、区はどんな姿勢を示すのか

この記事のポイント

  • 10月16日(金)の江東区議会防災・まちづくり対策特別委員会で、データセンターに関する陳情が審査されます。
  • これまで求めてきた「報告仕様の標準化」「第三者検証」「稼働後モニタリング」に加え、千石と豊洲の経験から、「説明の平等」という新たな重要論点が見えてきました。
  • 副委員長として、こうした問題意識と必要性を区に伝えてきました。区が委員会でどのような姿勢を打ち出すのか、注目しています。

10月16日、何が審査されるのか

10月16日(金)午前10時から、防災・まちづくり対策特別委員会で、千石三丁目をはじめとする大規模データセンターに関する陳情が審査されます。

今回新たに付託された陳情は3本です。

8陳情第34号 騒音・低周波音・排熱などの専門的・客観的な検証、重油や蓄電池を含む施設全体の安全性の評価、必要に応じた第三者の専門家の活用
8陳情第35号 住民の相談窓口の明確化、測定などの技術的な支援、工事車両が通る生活道路の事前調査、工事前・工事中・工事後のデータの収集と蓄積
8陳情第36号 指導要綱のさらなる強化(シミュレーションと情報開示、区によるモニタリング、施設が転売された場合の協定の引き継ぎなど)

これまで積み上がってきた住民の声が、おおむねこの3本に集約されていると受け止めています。

千石の計画は8月に建築確認済証が交付され、工事が始まっています。影響を受ける隣接3マンションは662世帯、約1,500人。いまは、工事の進め方や稼働後の運用、騒音や排熱への対策などをめぐって、住民と事業者の協議が続いている段階です。

これまで求めてきたこと

私は2025年12月の建設委員会で区が指導要綱の案を示して以来、一貫して次の3点を求めてきました。

  1. 報告仕様の標準化 ― 騒音・排熱・排ガス・低周波音などを、どの条件・方法・形式で報告させるかを区が定めること
  2. 第三者検証 ― 事業者の自己評価ではなく、独立した専門家が前提条件と結果を検証すること
  3. 稼働後モニタリング ― 稼働後も継続して実測・公表し、基準を超えた場合の是正手順をあらかじめ合意しておくこと

6月の本会議では、区長が「区としても主体的に関与すべき範囲がある」と答弁し、これら3点を「事業者との協定に位置づけ、監視・検証体制の実効性を確保していくことが望ましい」と述べています。

何より大切なのは、いま動いている千石の現場で、区が住民に寄り添い続けることです。そのうえで、江東区では今後もデータセンターの計画が出てくる可能性が高い。千石という先行事例で明らかになった制度の穴を塞ぐためにも、要綱は変えていく必要があります。

新たに見えてきた重要な論点:説明の平等

この論点に気づかされたのは、豊洲五丁目の計画でした。

豊洲五丁目では、計画の段階で事前の話し合いが進められていた一方、その内容は地域全体には開示されていませんでした。多くの住民は、看板が立って初めて計画を知り、説明会に参加して初めて、すでに話し合いが重ねられていたことを知りました。私のもとに寄せられた声の多くは、計画への賛否よりも、この情報の格差に向けられたものでした。

「なぜ、一部の人たちは先に知っていたのに、自分たちは知らされなかったのか」

振り返れば、千石でもまさにこれが重要な論点でした。事業者は当初、最も規模の大きいマンションにだけ説明を行い、小規模なマンションは事実上、説明の対象外とされていました。住民の事業者への不信は、少なからずここから始まっています。

誰かが悪意をもってそうしたわけではありません。誰に、いつ、何を説明し、その内容を地域にどう開くのか。それを定める仕組みが、制度の側にないことが問題です。

そして、同じ説明を後から受けても、失われた時間は戻りません。 先に知った人には、資料を読み込み、質問を練り、設計に要望を伝える時間がありました。看板が立ってから知った人に残されているのは、設計がほぼ固まった後の限られた期間だけです。

江東区は人口の8割強がマンション住民で、町会や協議会といった地域の組織に加わっていない住民のほうが多い街です。地域の代表に説明すれば済む時代ではありません。

区に伝えてきたこと

千石では7月、地元の町会と近隣マンションの代表者による連絡協議会が立ち上がりました。段階ごとのテーマについて事業者と話し合いを重ねていく場ができたことは、前進だと受け止めています。

そのうえで、私は委員会の副委員長として、次の点の必要性を区に伝えてきました。

  • 千石での協定づくりを、要綱見直しのプロセスとして位置づけること。 協議会で個別のテーマごとに協定をつくる作業は、いまの要綱に何が足りないかを明らかにする作業でもあります。その知見を千石限りで終わらせず、要綱に還元していく道筋を示してほしいと考えています。
  • すべてがそろうのを待たず、知見がたまったものから要綱に反映していくこと。 まとめて見直す考え方では、次の計画に間に合いません。
  • 事前説明のあり方など、今すぐできることは改正を待たずに始めること。 誰に、いつ説明したのかを明らかにすることに、科学的な知見の蓄積は要りません。
  • 協議会の外にいる住民にも、協議の経過と結果が届く仕組みをつくること。 地域の声をまとめる場が必要だからこそ、その場で何が話し合われ、何が決まったのかが、地域全体に開かれていなければなりません。

おわりに

この問題は、「事業者が悪い」「区が怠けている」という話ではありません。区の職員の皆さんが、住民の相談に向き合い、協議会の立ち上げを支えるなど、現場で動いていることも承知しています。問題は、データセンターという新しい施設に、制度が追いついていないことです。

こうした問題意識に対して、区が10月16日の委員会でどのような姿勢を打ち出すのか。私自身、注目しています。結果は改めてこのブログでご報告します。

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