江東区議会議員 中島雄太郎

江東区議会議員|中島雄太郎

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江東区千石データセンター ―現場に寄り添うことと、要綱の見直しは表裏一体。傍聴した住民の声から

この記事のポイント

  • 10月16日の委員会のあと、傍聴していた千石の住民の方から、区の「知見を蓄積する」という答弁を、区が千石の現場にもっと関わるよう求める根拠として生かしたいという声をいただきました。
  • 知見は、区が現場に関わらなければ蓄積できません。千石の現場で住民に寄り添うことと、これからのために要綱を見直すことは、表裏一体です。
  • 千石で得られる知見は、将来データセンターの近くに住む区民全体を守るルールの材料になります。区が千石でとる態度は、区民全体に対する態度でもあります。

委員会のあとに届いた声

前回の記事で、10月16日の防災・まちづくり対策特別委員会の内容を報告しました。私は、千石での説明会やその前後のやり取り、連絡協議会での協議から得られる知見を、要綱の見直しにつなげるべきだと質問しました。

その日の夜、傍聴されていた千石の住民の方から、次のような趣旨のメッセージをいただきました。

千石での知見を要綱に反映するよう求めたことは、住民からすれば、区が知見を蓄積するためにも、相談・支援体制を充実させ、今後の動きを注視し、積極的に関わるよう求める根拠になる。区も答弁で知見を蓄積すると言っていたので、自分たちの活動にも生かしていきたい。

私は、要綱の見直しを「次の計画のための話」として質問しました。この方は、同じ答弁を「いまの千石のための話」として読んでいます。大切な視点だと思い、この記事で考えてみます。

知見は、現場に関わらなければ蓄積できない

委員会で建築調整課長は、「様々な知見を区としても蓄えているところ」だと答弁しました。

では、千石で得られる知見とは何でしょうか。住民からどんな相談が寄せられたのか。事業者はどう回答したのか。協議会で何が論点になり、どこで説明が噛み合わなかったのか。工事が始まって、どんな苦情が出ているのか。

こうした知見は、区が現場に関わり、記録を残さなければ、どこにもたまりません。区が一歩引いて事業者と住民の話し合いを見守るだけでは、知見は蓄積されず、次の計画に生かすこともできません。

一方で、委員会では、工事前・工事中・工事後のデータの収集と蓄積を求める陳情に対し、区は「データセンター工事に特化してデータを収集・蓄積するということは難しい」とも説明しています。知見を蓄積すると言うのであれば、何を、どのように蓄積するのかが問われます。

区が千石でとる態度は、区民全体への態度

千石で得られる知見は、将来、データセンターの近くに住むことになる江東区民を守るルールの材料になります。豊洲五丁目でも、同規模の計画が進んでいます。江東区では、今後も同種の計画が出てくる可能性が高い。

そう考えると、区が千石で住民に不合理な態度をとることは、千石の住民だけに対する問題ではありません。蓄積されるべき知見が失われ、将来の区民全体が不利益を受けることになります。区が千石でとる態度は、区民全体に対する態度でもあります。

区はこれまで、「民間の建築工事であり、説明責任は基本的に事業者にある」という立場をとってきました。3月の委員会では、説明会に出席しない理由として「中立性」を挙げています。しかし、千石が区民全体のルールづくりにつながる先行事例であるなら、区が距離を置く理由はなくなります。現場に関わり、記録を残すことは、区の責務です。

住民の活動に加わる意味

千石の計画は、すでに工事が始まっています。建物が建つこと自体を止めることはできない中で、住民の方々は活動を続けています。陳情をまとめ、説明会や協議会に出席し、平日の午前に委員会を傍聴する。仕事でもなんでもなく、自分の時間を割いての活動です。

その活動は、千石の住民の生活を守るためのものです。同時に、次にデータセンターの近くに住むことになる区民を守るルールの材料にもなっています。千石の住民の方々は、区のルールをつくる担い手でもあるのだと思います。

区に求めること

だからこそ、区には次のことを求めます。

  • 千石で何を、どのように蓄積しているのかを示すこと。 「知見を蓄積する」を、言葉だけで終わらせないために。
  • 相談・支援の体制を充実させること。 住民の相談や苦情に区が向き合うことが、そのまま知見の蓄積になります。
  • 知見の蓄積に、体制と予算を充てること。 委員会で課長は、データセンター対策について「事業や予算という形ではない」と答弁しました。区民全体のルールにつながる取り組みであれば、それを担う体制と予算が必要です。

おわりに

議会での答弁は、記録に残った時点で、質問した議員の手を離れます。今回、私が引き出した答弁は、住民の方の手で、千石の現場への区の関与を求める根拠という、新しい意味を持ちました。

千石の現場で住民に寄り添うことと、これからのために要綱を見直すことは、別々のものではなく、表裏一体です。 議会での質疑は、住民の皆さんと一緒に積み上げていくものだと、改めて感じています。

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