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2026年1月11日

多摩のエコセメントはなぜ東京23区で再現できないのか ─最終処分場とごみ減量の構造的限界

AbemaPrimeで示された「多摩地域の事例」の重要性

昨日のAbemaPrimeでの23区のごみ有料化をめぐる議論の中で、有料化反対の立場のさんのへあや都議が紹介した多摩地域の事例は非常に示唆に富むものでした。

多摩では焼却灰のほぼ全量を資源化してきた

多摩では、焼却灰のほぼ全量をエコセメント原料として資源化することで、最終処分場への埋立依存を大きく低減し、処分場の延命に寄与してきたことは紛れもない事実です。

中核となる「エコセメント化施設」の規模

その中核を担っているのが、多摩地域の「エコセメント化施設」です。この施設の敷地面積は約4.6haに及びます。これは東京ドーム(敷地面積 約4.7ha)がおおむね1つ収まる規模です。処分場内という、広大でまとまった用地を確保できたからこそ成立した大規模プラントだと言えます。

同様の仕組みを23区で再現することの困難さ

ここが重要な点ですが、同様のサイクルを23区で再現しようとすれば、4〜5ha級の専用用地を、物流・環境条件も含めて新たに確保する必要があります。

人口・土地利用が極度に集積した23区内で、こうした規模の産業用地を新規に確保するのは、物理的にも制度的にも極めてハードルが高いのが現実です。現実的な選択肢としては極めて困難と言わざるを得ません。

処理量の規模も23区と多摩では大きく異なる

さらに処理量の規模も異なります。多摩のエコセメント施設が主に処理している焼却灰は年7〜9万トン規模ですが、23区全体では、最終処分に回っている量は年30万トン規模に達します。

仮に多摩と同程度の処理能力を前提とすれば、同規模施設を複数拠点整備しなければ焼却灰の全量資源化は見えてきません。

多摩で循環が機能してきた本当の理由

多摩でこの高度な循環が維持されてきた背景には、分別徹底、資源化の制度設計、そして自治体ごとに時期は異なるものの家庭ごみ有料化を含む減量施策を長年積み重ねてきたことがあります。

つまり、排出量そのものを抑え込んできたからこそ、資源化インフラが機能してきました。

「処分場の半永久的延命」に近づくための出発点

以上を踏まえると、さんのへ都議が掲げる「処分場の半永久的な延命」という理想に近づくための論理的な出発点は明確です。

23区のように用地制約が厳しい地域では、排出量を減らさない限り、どれほど高度なリサイクル技術を構想しても、物理的に実装が追いつきません。施設整備より先に、まずごみの量そのものを絞り込む必要があります。

なぜ家庭ごみ有料化が避けられないのか

その排出抑制において、家庭ごみ有料化ほど即効性があり、かつ実績のある手段は他にありません。

多摩が高度な資源循環を維持できているのも、減量を前提に制度が設計されてきたからです。

新海面処分場の制約と23区の現実的な選択

新海面処分場の残余容量が限られる中、23区が持続可能な処理構造へ転換するには、ごみ有料化に踏み込むことが、現実的に取り得る唯一の帰結だと考えます。

関連動画

AbemaPrimeの動画はこちらから視聴できます。
https://abema.go.link/2UW0T

投稿者:江東区議会議員 中島雄太郎

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