江東区議会議員 中島雄太郎

江東区議会議員|中島雄太郎

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江東区の内水氾濫対策、雨水ます約3万2千か所の管理に課題

道路の端にある、格子のふた。毎日その上を歩いていても、気に留める人は少ないと思います。雨水ますです。実はこれが、大雨のときにまちを水から守る仕組みの「入口」にあたります。

今年8月、千葉市を記録的な豪雨が襲い、千葉県内で13人の方が亡くなりました。被害の多くは、川があふれたのではなく、降った雨を流しきれずに水があふれる「内水氾濫」によるものでした。海抜ゼロメートル地帯が広がる江東区にとって、他人事ではありません。

豪雨で小名木川や大横川はあふれるのか

千葉の豪雨の後、「近くの小名木川や大横川、横十間川、旧中川はあふれないのか」と心配された方も多いと思います。

江東区の中を流れるこうした川(内部河川)は、水門などで隅田川や荒川といった外側の大きな川と仕切られ、東京都が水位を管理しています。大雨のときも、水位を調節しながら運用されています(内部河川の水位管理の仕組みは、こちらの記事で詳しく紹介しています)。

一方で、大雨のときに区内で起こりやすいのは、川があふれる「外水氾濫」とは別の、「内水氾濫」です。降った雨が下水道で流しきれず、道路や低い土地に水があふれる現象です。千葉の豪雨でも、被害の多くはこの内水氾濫によるものでした。区は今年8月、この内水氾濫による浸水の深さを示した「大雨浸水(内水)ハザードマップ」を改訂しています。

川の近くかどうかにかかわらず、区内のどこでも起こりうる。だからこそ、雨水をまちから流し出す仕組みが大切になります。

内水氾濫を防ぐ仕組み:都と区の役割分担

道路に降った雨は、次のような道筋で流れていきます。

江東区は地面が川の水面より低い場所が多く、雨水は自然には川へ流れません。下水道管で集め、ポンプでくみ上げて川へ出しています。

この仕組みのうち、下水道管、ポンプ所、水門や排水機場といった大きな施設は、東京都が担っています。都は、より強い雨に耐えられるよう、管を太くしたり、雨水をためる施設をつくったりと、大きな投資を続けています。

一方、道路の雨水がまず入る雨水ますは、道路を管理する区の担当です。区道の雨水ますは、区が設置し、管理しています。ふたに区のマークが入っているのはそのためです。

雨水ますの役割と、その重要性

雨水ますは、道路の勾配や、集める雨の量を計算したうえで、一定の間隔で配置されています。一つひとつが、その区間の雨水を受け持っています。

ですから、ますが一つふさがれれば、その区間の排水の力は、設計した水準を下回ります。受け止められなかった水は、道路を流れて低い場所にたまります。都がどれほど管の能力を高めても、入口のますに水が入らなければ、その力は生かされません。

ますの機能を落とす原因は2つあります。

  • 上をふさぐもの:車の出入りのための段差解消スロープ、プランター、看板など。置いている方の多くは、日々の便利のためで、浸水の原因になるとは思っていないはずです
  • 中にたまるもの:土砂や落ち葉。写真のますは、格子からシダが生えていました。植物が根を張れるほど、中に土がたまっているということです。上に何もなくても、排水の力は落ちています

9月21日、台風の接近を前に、区は安全安心メールで「大雨の際はお風呂や洗濯の排水を控えてください」と呼びかけました。江東区の下水道の多くは、汚水と雨水を同じ管で流す合流式なので、家庭の排水を減らせば、管に雨水を受け入れる余裕が生まれます。区民に協力をお願いするなら、区も自らが管理する入口を、確実に機能させておく必要があります。

決算委員会で明らかになったこと

10月1日の決算審査特別委員会で、区道の雨水ますについて質問しました。

分かったこと

  • 区道の雨水ますは約3万2千か所と区は見込んでいるが、正確な数は把握していない
  • 清掃はおおむね3年に1回
  • スロープなどでふさがれているますの数は、集計していない
  • 区も、ふさがれたますが「道路冠水や内水氾濫の一因となるおそれ」があると認識している

リスクだと分かっているのに、ますの正確な数も、3万2千か所のうち、どれがふさがれ、どれが詰まっているかは分からない。これが今の状態です。

提案したこと

  1. 雨水ますを台帳で把握する。区は毎年約1万2千か所を実際に清掃しています。そのたびに、位置とふさがれ・詰まりの状況を記録すれば、3年で全体の台帳ができます
  2. 冠水したことのある場所や、落ち葉の多い路線では、清掃の回数を増やす
  3. 区民への注意喚起を、毎年3月の区報だけでなく、台風や梅雨の前にも行う。大雨の際の安全安心メールでも、家の前のますの確認をお願いする

区の答え

  • 周知は「3月だけではなく、台風シーズンの前などにも行っていきたい」。年1回から増える、すぐに形になる前進です
  • 落ち葉の多い路線などの清掃頻度を上げることは「今後の検討課題」
  • 台帳化は、ますの新設などで数が日々動くため「難しい」

台帳化の「難しい」には、納得していません。数が動くからこそ、清掃のたびに記録して更新していく仕組みが要ると考えています。来年2月の予算審査でも、引き続き求めていきます。

皆さんへのお願い

  • ご自宅やお店の前の雨水ますに、スロープやプランターが置かれていないか、一度見てみてください
  • 大雨の予報が出たら、ますの上の落ち葉やごみを取り除いていただけると助かります
  • ふさがれたますや詰まったますに気づいたら、区のホームページの通報窓口から知らせることができます

内水氾濫を防ぐため、まちの約3万2千の雨水の入口を、区と区民で守っていきましょう。

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