新豊洲チームラボプラネッツ前で続く区道の違法露店問題 ―アメ横一斉摘発から考える警察の責任
3月3日の予算審査特別委員会で取り上げて以来、継続的に取り組んでいるチームラボプラネッツ前の違法露店問題について、新たな進展がありました。そして同時に、台東区アメ横で起きた警視庁の動きを見て、改めて考えるべきことがあります。
新豊洲の進展――最初のカラーコーン設置から事業者との対話まで
3月3日の予算審査特別委員会で取り上げて以来、複数の動きがありました。
委員会から2ヶ月弱経った4月28日、所管課長から連絡をいただきました。区が深川警察署と協議の上、現場にカラーコーンを設置したとのことです。委員会答弁で課長が「所轄警察署に対して厳しい取締り・指導警告を行うよう要望する」「台東区のアメ横の事例を参考にする」と答えていた延長線上での対応です。
3年弱、住民の声でも区の指導でも動かなかった問題に、初めて目に見える物理的措置が取られた瞬間でした。
その後、5月1日にチームラボプラネッツの責任者の方々と直接お会いし、意見交換させていただきました。施設側からは、「これまで動かなかった状況に動きが出始めた」と前向きに受け止めていただき、「全面的に協力したい」とのお話でした。施設にとっても、外の路上での違法営業ではなく、適切な形で観光客の需要が受け止められることが望ましいという認識で一致しました。
そして5月14日、施設保全課長から再び連絡をいただきました。4月28日のカラーコーン設置で違法露店への効果が大きく見られたため、施設側から北側への増設要請があり、本日北側にもコーンを設置したとのことです。
現場を見に行きました。施設前の歩道に沿って、ほぼ全長にわたってコーンが連続して並ぶ状態になっています。物理的に違法露店が設置できるスペースは大幅に減少しました。

2年以上何も動かなかったこの問題に、3月の委員会質疑から2ヶ月半で、目に見える変化が生まれています。
ただし、これはあくまで対症療法です。歩道がコーンで埋まることそのものが住民にとって新たな景観・通行のコストです。本来であれば、警察が法執行をすれば不要だった措置です。
アメ横で警察が動いた
そして5月5日、台東区のアメ横で大きな動きがありました。
警視庁上野署が「アメ横クリーンアップ作戦」を実施し、悪質な飲食店に家宅捜索に入り、路上に並べられていた看板やテーブル、椅子などを押収しました。アメ横周辺の路上営業について、半年で1500件近くの指導や警告を行ったにもかかわらず改善されなかったため、一斉摘発に踏み切ったものです。
この事例は、3月3日の予算審査特別委員会で、私の質疑に対して担当課長が自ら引き合いに出した先行事例でもあります。「台東区の事例を参考に、所轄警察署に対して厳しい取締り・指導警告を行うよう要望する」という答弁を得てから2ヶ月後、まさにそのアメ横で警察が一斉摘発に踏み切った形です。
報道で紹介されている地元・仲徒三四町会の水谷浩久会長のコメントは、新豊洲の住民が抱えてきた感情と完全に重なります。
「私たちもパトロールの際に注意はしているのですが、やはり我々民間ですと、なかなかお店の人は耳を傾けていただけないのが現状」
「警察の指導でだいぶ改善されたが、時間がたつと少しずつ出し始める現状がある」
これは新豊洲でも全く同じ構造です。住民が指摘しても、議員が委員会で取り上げても、区が指導しても、警察が口頭注意で済ませている限り、違法業者は時間が経てばまた戻ってくる。アメ横で警視庁が「指導や警告を強化しても改善されない」として一斉摘発に踏み切ったのは、まさにこの構造を認めたからです。
アメ横と新豊洲のもう一つの共通点――世界レベルのインバウンド拠点
警察の対応の落差に加えて、アメ横と新豊洲にはもう一つ重要な共通点があります。いずれも世界レベルのインバウンド集客拠点であり、その周辺で違法な路上営業が行われているという点です。
アメ横は戦後の闇市から始まり、400店あまりが軒を連ねる日本有数の商店街として、多くの外国人観光客を集めています。一方、チームラボプラネッツは「単一アート集団の美術館で世界最多」としてギネス世界記録に登録された施設で、年間250万人を超える来場者を集める、世界に誇る集客拠点です。
問題は、こうした集客拠点の周辺の区道で、許可も届出もない第三者の事業者が便乗的に違法な路上営業を行い、その負担が周辺住民や通行者に転嫁されているという点です。チームラボプラネッツは正当な事業活動を行っている民間事業者であり、今回の問題についても建設的な姿勢で取り組まれています。問題の本質は、集客拠点の周辺で違法営業を行う第三者の存在と、それに対する法執行の不在にあります。
4月28日の予算審査特別委員会で、施設保全課長は私の質疑への答弁の中で、自発的にアメ横の事例を引き合いに出されました。区としても、両者を同種の問題として認識されているということです。
インバウンド集客拠点の周辺で、便乗的な違法営業が発生し、その負担が地域住民に転嫁される――これは新豊洲だけの問題ではなく、観光立国を進める日本全体の都市政策の課題でもあります。
なぜ同じ違法路上営業で対応が違うのか
整理すると、こうなります。
アメ横では、警視庁が指導1500件にも改善せずと判断し、家宅捜索・テーブル椅子押収という強い対応に踏み切った。
新豊洲では、住民、議会、施設からの声を受けて、区がカラーコーン設置という対応に動きました。しかし、本来であれば法執行の主体となるべき深川警察署は、口頭注意を続けるにとどまっています。
同じ路上違法営業の問題で、なぜこの対応の差が生まれるのか。両者とも道路交通法第77条1項3号違反であり、第119条による刑事罰の対象となる行為です。法的根拠は同じです。違うのは、警察が動くかどうかだけです。
そしてアメ横で警察が動いたという事実は、新豊洲でも警察が動くべきだという論理を強化します。「警察にはやれることがある」「やれば効果がある」。アメ横はそれを実証しました。
住民、議会、事業者は動いた。動いていないのは警察だけ
新豊洲のこの問題で、これまで誰が何をしてきたかを整理します。
住民は、長年にわたって違法露店の問題を訴え続けてきました。SNSで現場の状況を発信し、議員に情報を提供し、自治会として施設や行政と連絡を取り続けてきました。
議会では、3月3日の予算審査特別委員会で私が問題を取り上げ、道路交通法第77条1項3号・第119条という明確な法的根拠を示し、警察への厳正な取締り要請を区に求めました。
区(行政)は、委員会答弁を受けて深川警察署と協議し、4月28日にカラーコーンを設置しました。施設からの追加要請を受けて、5月14日には北側にも増設しました。所管課長は施設・議員と継続的に連絡を取り合い、迅速に動いています。
事業者(チームラボプラネッツ)は、施設として議員との直接対話に応じ、「全面的に協力する」と表明しました。違法露店の排除のために、自ら区に追加対策を要請しています。
住民、議会、行政、事業者。それぞれが立場を超えて、この問題の解決に向かって動いてきました。
動いていないのは、警察だけです。
周辺住民へのコスト転嫁の構造
ここで改めて確認したいことがあります。
新豊洲でカラーコーンが並ぶ区道の景観、狭くなった歩道幅員、コーンの費用。これらのコストを払っているのは、何の責任もない周辺住民であり、納税者です。
このコストを発生させた責任は、はっきり2者にあります。違法に営業を続ける露店運営者と、違法行為を放置してきた警察です。
警察が法律通りに違法露店を取り締まれば、カラーコーンは不要でした。歩道は狭くならず、景観は損なわれず、住民がコストを被ることもなかった。アメ横で警察が一斉摘発に踏み切ったことは、警察が動けば結果が出るということを示しています。
新豊洲では、住民、議会、行政、施設、それぞれが自分にできることを動いて、ここまで来ました。施設側が「カラーコーン設置で違法露店への効果が大きく見られた」と評価し、自ら北側への増設を求めるレベルまで来ています。区も施設からの要請を受けてその日のうちに対応する関係性ができています。
次に問われるべきは、深川警察署です。
深川警察署に求めること
3月3日の予算審査特別委員会で、私はこの問題を取り上げ、道路交通法第77条1項3号違反として警察に厳正な取締りを求めるよう区に要請しました。担当課長は所轄警察署に厳しい取締り・指導警告を行うよう要望すると答弁しました。
しかしその後の警察の対応は、口頭注意で「移動してもらう」という従来の対応にとどまっています。アメ横で警視庁が踏み切った家宅捜索や押収のような強い対応は、新豊洲では取られていません。
一方、新豊洲の違法露店は、観光客向けに毎日同じ場所で営業し、大型パラソルや電飾を設置し、英語表記のメニューを掲げ、固定店舗同然の営業を3年弱続けてきました。アメ横の事例と比較しても、その違法性の度合いは決して低くないはずです。
アメ横で警察が動いたなら、新豊洲でも動けるはずです。動くべきです。
3月3日の委員会質疑で担当課長は「本委員会の質疑をインターネット中継で深川警察署の担当部署がリアルタイムで確認している」と答弁しました。深川警察署はこの問題を3月から把握しています。それから2ヶ月半が経過しました。
カラーコーンによる対症療法ではなく、道路交通法第77条1項3号・第119条に基づく法執行を、深川警察署に改めて求めます。アメ横で警視庁ができたことが、深川警察署にできないはずはありません。
引き続き取り組みます
新豊洲のチームラボプラネッツ前の違法露店問題は、3月3日の問題提起から、複数の主体が動き始めました。区、施設、住民、それぞれが連携して、この問題の解決に向かって動いています。
残されているのは、警察の本来の役割です。法律はある、罰則もある、先行事例もある。あとは深川警察署が動くかどうかです。
問題は一気には解決しません。しかし、アクションを取り続ければ、健全な区道というゴールに必ず到達します。引き続き、根本的な解決まで取り組んでまいります。