江東区議会議員 中島雄太郎

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子育て 決算審査特別委員会 2025年9月30日

保育士採用に年間約1億円の紹介手数料──就職フェアの公平性と補助金拡充を問う

📋 この質問のポイント

目的

保育業界の人手不足が深刻化する中、多くの民間保育事業者が高額な手数料を支払って人材紹介会社に依存せざるを得ない状況にある。区の採用支援策である保育園就職フェアと保育人材確保支援事業補助金について、実績と費用対効果を確認し、事業者の負担実態に見合う支援の拡充を求める。

質問

  1. 保育園就職フェアの過去3年間(令和4〜6年度)の事業費と採用実績、費用対効果の評価
  2. フェアへの参加が1回当たり約20法人に限られ、申込倍率が約2倍となっている参加機会の公平性
  3. 区内の民間保育所による人材紹介会社の利用と手数料負担の実態把握
  4. 紹介手数料の負担が事業者の経営継続性と区の保育サービス全体に与える影響の認識
  5. 保育人材確保支援事業補助金(上限20万円)の上限額見直しと、紹介手数料の2分の1補助など抜本的な制度拡充

答弁

就職フェアの実績と費用対効果(保育支援課長)

事業経費は各年度約900万円、採用人数は令和4年度15名、5年度12名、6年度16名(内訳は保育士28名、看護師1名、調理員3名、保育補助者11名)。東京の保育士有効求人倍率が4倍を超える厳しい状況の中、毎年度10名を超える採用を確保しており、保育の魅力を伝えるセミナーの同時開催も含め適切な事業効果を発揮していると認識していると答弁した。

参加機会の公平性(保育支援課長)

会場の関係から参加は約20施設程度で、希望が超える場合は抽せんとし、年2回のうちどちらかは参加できるよう配慮している。参加できない事業者にはパンフレット等の配布で対応しており、より多くの希望施設が参加できるよう運営方法等について検討すると答弁した。

紹介手数料の実態と補助金の見直し(保育支援課長)

昨年度は177施設が補助を利用し、うち人材紹介会社の利用は約100件、金額は100万円前後が多い。経営継続性への影響は施設ごとに異なるため一概には言えないが、採用経費が経営の負担になっているとの声は聞いている。補助金額の見直し・抜本的拡充については、特効薬となる単一の支援策はなく多面的な支援が必要とした上で、保育現場の声を聞きながら適切な補助金額等について検討すると答弁した。

なお、質疑の結びで求めた補助金の大幅増額をはじめとする採用支援策の抜本的な変化は要望として述べたものであり、これに対する答弁はない。

結果

区内保育事業者が人材紹介会社に支払う手数料が年間約100件・単価100万円前後、総額約1億円規模に上る実態が答弁で示された。区は就職フェアの運営方法の検討と、補助金額の検討を答弁した。実施時期や水準は示されておらず、進捗を引き続き委員会で確認していく。

📄 議事録全文を読む

※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。

令和7年決算審査特別委員会 本文 : 2025-09-30
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141:
◯中島雄太郎委員  よろしくお願いします。保育人材の採用支援に関し、区の取組を伺います。
 まず、我が国の喫緊の課題である人手不足は保育業界において特に深刻であり、江東区も例外ではありません。その背景には、かねてより指摘される賃金水準や業務負担に加え、本区特有の高い生活コストや事業者間の人材獲得競争の激化があります。その結果、多くの民間保育事業者が自力での採用に困難を来し、高額な手数料を支払って人材紹介会社に依存せざるを得ない状況が常態化しております。
 事業者からは、保育士1名を採用するために、100万円以上のコストがかかることも珍しくないとの声も届いており、これは施設の持続可能な経営を揺るがす深刻な問題です。区民に対し、質の高い保育を持続的に提供していくためにも、行政による実効性のある採用支援は極めて重要であるというふうに考えております。
 以上の認識の下、区の事業について伺います。本区では採用支援策として、年に2回、保育園就職フェアを開催しております。この重要な取組について、過去3年間、令和4年度、5年度、そして6年度におけるそれぞれの事業費と、このフェアを通じて正規、非正規を含め、採用に至った人数の実績を伺います。また、その費用対効果については、区はどのように評価しているのか見解をお示しください。

142:
◯保育支援課長  保育園就職フェアの実績や費用対効果についてお答えいたします。まず、本事業は年に2回、ティアラこうとう等を会場にして、保育施設と就労希望者の就職相談会を実施するものでございます。
 過去3年間の実績としましては、事業経費につきましては各年度約900万円、採用人数につきましては令和4年度が15名、令和5年度が12名、令和6年度が16名でございます。採用者の内訳としては、保育士28名、看護師1名、調理員3名、保育補助者11名でございます。
 費用対効果についてでございますが、直近の東京における保育士の有効求人倍率が4倍を超えるなど、保育施設にとっては採用や人材確保が厳しい状況にある中、毎年度10名を超える採用人数を確保することができていること。また、直接的な採用につながらなくても、保育の魅力を伝えるセミナーも同時開催しておりまして、区内の様々な保育施設や保育士等の魅力を知る機会となり、将来の保育人材の確保にも寄与していることから、適切な事業効果を発揮していると認識しております。
 以上でございます。

143:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。令和6年度は16名の採用ということで、900万円の事業費に対して16名ということは、1人当たりの採用に56万円ということで、紹介会社を利用したら100万円近くかかることを考えると、極めて費用対効果は高いのではないかというふうに考えております。
 しかし、聞いたところによるとこの就職フェア、参加できる法人というのが1回当たり20法人ぐらいに限られておりまして、その申込み、要するにここに参加したい、フェアに参加したいという事業者の申込み倍率が2倍ぐらいになっているというふうにも聞いております。
 これは、このフェアに参加できれば、100万円ほどの人材紹介手数料がかかるところを無料で人材を獲得できるチャンスを得られる、そして実際に採用している法人がある中で、一方で、運が悪くて抽せんに落ちて、このフェアに参加できない事業者もいるということは、極めてこの機会の不均等というか、公平性の観点からどうなんだというふうに思うんですけれども、その点まず伺います。

144:
◯保育支援課長  就職フェアにつきましては、会場の関係から、中島委員お尋ねのとおり約20施設程度に参加をいただいているところでございます。希望施設が20を超える場合には抽せんをしておりまして、年2回のうち、どちらかは参加できるよう配慮しているところでございますが、参加できない場合には、その事業者の採用に係るパンフレット、チラシ等をお配りして、対応しているところでございます。
 会場の広さなど制約ございますけれども、効果も踏まえまして、より多くの希望する施設に参加いただけるよう、運営方法等について検討してまいるところでございます。
 以上でございます。

145:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。会場のキャパの問題もあるということですけれども、参加事業者が増えれば増えるほど求職者にとっては魅力的なイベントになるわけですよね。結果として、採用に至る人数も増える可能性が極めて高いということなので、ぜひここは有効な改善策を考えていただきたいというふうに思います。
 次に、令和6年度から開始された保育人材確保支援事業補助金について伺います。上限20万円の補助金制度を創設されたこと自体は、事業者に寄り添う姿勢として高く評価いたします。しかし、先ほど述べたとおり、人材紹介会社を利用した場合の事業者の負担は、年収350万円の保育士1名の採用で、手数料率30%と仮定すると105万円にも上ります。
 区の補助金20万円を活用しても、なお85万円という重い負担が事業者にのしかかるのが実態であります。この状況は、民間事業者の経営体力を著しくそぎ、採算性の悪化から、江東区での事業継続を断念、すなわち区からの撤退という最悪の事態を招きかねません。それは本区の保育基盤の脆弱化に直結する重大な問題であります。
 そこで、以下の3点について明確な答弁を求めます。まず、実態把握について。区は、認証保育所を含む区内の民間保育所がどの程度人材紹介会社を利用し、その手数料としてどれほどの負担をしているのか、その実態を正確に把握していますでしょうか、伺います。
 次に、影響と認識について。この紹介手数料の負担が民間事業者の経営継続性に与える影響、ひいてはそれが本区の保育サービス全体に与えるリスクについてどのように認識されていますでしょうか、伺います。
 次に、補助金の増額について。現状の採用リスクを踏まえると、現行の補助金制度は事業者の負担軽減策として十分とは言えません。そこで保育人材確保支援事業補助金の上限額を見直すお考えはありますでしょうか。さらに単なる見直しにとどまらず、例えば、人材紹介手数料の2分の1を補助するなど、事業者が実感できるレベルでの抜本的な制度拡充を要望いたしますが、区の見解を伺います。

146:
◯保育支援課長  保育人材確保支援事業補助金に関しまして、3点の御質問にお答えいたします。
 まず、1点目の実態把握についてでございますが、人材紹介会社の利用の有無、また、利用料につきましては、全ての施設について把握はしておりませんが、昨年度の本事業の実績に基づきまして、御説明いたします。
 昨年度は本事業の補助を177施設が利用しておりまして、その採用手法を調べますと、人材紹介会社の利用でしたり求人広告の掲載、民間の就職相談会への参加など多岐にわたっておるところでございます。このうち、人材紹介会社の利用は約100件ほどございまして、金額としましては幅広くございますけれども、100万円前後のものが多い状況でございます。
 次に、2点目の採用経費が経営継続性などに与える影響についてでございます。それぞれの保育施設によりまして、収支状況、また、職員の在籍状況は異なります。また、人材の採用や育成の方針など、こういったものも異なりますので、一概に経営継続性などに与える影響を述べることはできませんが、各保育施設と意見交換を実施しておりますと、人材不足を背景に採用経費が一定程度かかっておりまして、経営の負担になっているという声は聞いております。
 最後、3点目の本事業の補助金額の見直しや、抜本的な制度拡充についてでございますが、保育人材の確保や定着に当たりましては、何か一つ特効薬のような支援策というものがあるものではなく、処遇改善、働きやすい環境づくり、就職採用支援など様々な支援策を多面的に講じていくことが必要であるというふうに考えております。
 補助金額の見直しあるいは、抜本的な制度拡充といったお尋ねでございますが、引き続き、各保育施設の採用活動やその経費負担など、保育現場の声を聞きながら、適切な補助金額等について検討してまいります。
 以上でございます。

147:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。年間100件の紹介会社の利用による採用があって、およそ単価として100万円ということで、本区の保育事業者が年間約1億円を人材紹介会社への採用手数料に費やしているという極めて重い実態がございます。この1億円というのは、そもそも厳しい経営状況の中から出された金額であり、また、本来この1億円が人材紹介会社の手数料として流れなければ、保育士の人材待遇、保育士の待遇改善とか、保育の質の向上に対して使われたお金であった可能性もあるわけです。
 そのような現実を踏まえると、この1億円という紹介手数料というのは、やっぱり本区の保育事業者に対しては極めて重い負担となっていると考えますので、その実態を多く受け止めていただいて、事業者の悲鳴に応えるべく、保育人材確保支援事業補助金の大幅な増額をはじめとした区の採用支援策の抜本的な変化を強く要望し、私の質問を終わります。

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