江東区議会議員 中島雄太郎

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子育て 予算審査特別委員会 2024年9月25日

こども食堂は「支援が必要なこどもが行く場所」になっていないか──新補助制度の狙いと懸念

📋 この質問のポイント

目的

こども食堂は元来、民間の自主的な取組として地域の居場所づくりや多世代交流を目的に始まった。新たな補助制度では週1回の実施や区との定期的な情報共有が条件とされており、区がこども食堂の意義をどう定義し、新制度で何を狙っているのかを確認する。あわせて、利用者の個人情報の扱いや、「支援が必要なこどもが行く場所」というイメージの固定化による利用控えの懸念を質す。

質問

  1. 区として現在、こども食堂の意義をどのように定義しているか。
  2. 補助対象は「孤食状況にあるこどもが主な利用者であること」と定義されているが、配食・宅食は孤食の解消に直接つながらないのではないか。配食・宅食を補助対象に含めた狙いは何か。
  3. 週1回の実施という条件は運営側の負担も大きいが、どの程度の利用人数を想定しているか。
  4. 食堂と区の定期的な情報共有は具体的にどのような形で行われるのか。利用者は自身の情報が行政に共有されると想定していないと思われるが、利用者への説明をどう考えているか。
  5. 情報共有を嫌がる家庭の利用控えや、「支援が必要なこどもが行く場所」というイメージの固定化により利用をちゅうちょする家庭が増える懸念について、どう考えるか。

答弁

こども食堂の意義(こども家庭支援課長)

区として、こども食堂は貧困対策のみならず、ひとり親家庭への対策、孤食の解消、虐待予防、互助・共助による地域の助け合いなど、こどもを見守る場所と考えていると答弁した。

配食・宅食の狙い(こども家庭支援課長)

配食・宅食はコロナ禍で会食ができなくなったことを機に加算事業として続いてきた経緯があると説明。今回の新メニューは孤食解消に加え、団体が配食・宅食で家庭を訪問した際に困り事のある家庭の状況を区と連携して把握し、支援につなげることを目的に追加されたと答弁した。

利用人数の想定(こども家庭支援課長)

会食形式は1回につき10名以上の目安があるが、配食・宅食に規定はなく、手を挙げている4団体の計画は週10名程度から50名程度まで幅広い。補助上限206万円の中でできる範囲で実施してもらう考えと答弁した。

情報共有と個人情報(こども家庭支援課長)

年6回のフードドライブや年2回の連絡会の機会を使い、担当課に加え養育支援課の虐待対応ワーカーの同席も検討していると答弁。原則として詳細な個人情報のやり取りは考えておらず、支援が必要な家庭の情報を確認し関係部署の窓口を案内するなどのつながりをつくる形とし、個人情報を取り扱うものではないため現時点で利用者への説明は考えていないとした。

利用控えの懸念(こども家庭支援課長)

「こども食堂は貧困家庭の行くところ」というイメージがあることは認識しており、誰でも来てよい場所という周知を行ってきたと答弁。報道等でこども食堂の多面的な機能の紹介が増え、団体数や利用者の増加につながっていると認識しており、今後も支援が必要な家庭のこどもだけが来る場所ではないという理解が進むよう努めるとした。

結果

新補助制度が孤食解消に加えて虐待予防・地域の見守り機能を担う設計であることを、区の答弁として確認した。一方、利用者の個人情報については、区は原則として詳細なやり取りを行わないとしつつ、利用者への説明は現時点で考えていないとの答弁にとどまった。情報共有の運用実態と利用者への説明のあり方は、今後の運用状況を踏まえて引き続き確認していく論点である。

📄 議事録全文を読む

※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。

令和6年予算審査特別委員会 本文 : 2024-09-25
—————————————————————-
194:
◯中島雄太郎委員  こども食堂支援事業について伺います。
 こども食堂は元来、民間の自主的、自発的な取組として始まり、地域の居場所づくりや多世代交流を主な目的としていたと認識しております。本区として現在、こども食堂の意義をどのように定義されているのでしょうか、教えてください。

195:
◯こども家庭支援課長  意義というところでございますけれども、区としては、こども食堂は貧困対策のみならず、ひとり親家庭への対策、それから孤食の解消、あとは虐待予防ですとか、互助・共助による地域の助け合いなど、こどもを見守る、そういった場所としてこども食堂を考えているところでございます。地域で活動している団体等で連絡をつくり、補助を支援しているというところでございます。
 以上でございます。

196:
◯中島雄太郎委員  江東区こども食堂支援事業補助金では、6年度の実施要綱を拝見いたしますと、補助対象は、家庭の事情等により孤食状況にあるこどもが主な利用者であることというふうに定義されております。つまり、本区としては、孤食の解消というところがこの事業の大きな目的であるというふうに定義しているわけでございますが、今回、この新たな補助金の仕組みを拝見して、週1回実施して、月1回は会食形式。この週1回というのは、配食・宅食でも可能ということになっておるんですけれども、コロナ禍ならともかく、配食・宅食によって、恐らくお弁当とかそういう形になるんだとは思うんですけれども、こどものもとに食事を届けることというのは、孤食の解消に直接的にはつながらないと思うんですけれども、このことについてどのようにお考えなんでしょうか。つまり、今回、配食・宅食を含めたことの狙いというのは何なんでしょうか。そこをちょっと教えてください。

197:
◯こども家庭支援課長  まず、宅食・配食のところなんですけれども、もともとこのこども食堂支援事業、東京都の補助事業でも入っているんですが、最初は会食のみという形でした。その後、コロナ禍があって、会食ができないということで宅食・配食なども増えてきて、それが加算事業で今も続いているという経緯はございます。
 今回はさらに、当然、孤食の解消が目的なんですけれども、それ以外に虐待予防ですとか、地域のつながりという点もございますので、こども食堂の団体さんが配食・宅食をして家庭のところにお伺いして、何かお困りの家庭があった場合に、そういった情報、そういった内容、状況といったものを区と一緒に連携して、把握して支援につなげていく。そういった目的で今回、補助メニューが新たに追加されたと、そういう形でございます。
 以上でございます。

198:
◯中島雄太郎委員  分かりました。ありがとうございます。新制度では週1回の開催というのが条件になっておりますけれども、これは運営側の負担も大きく、また、利用ニーズの観点からも疑問が残るんですけれども、週1回の実施において、どの程度の利用人数を想定されているんでしょうか、伺います。

199:
◯こども家庭支援課長  利用人数というところなんですけれども、実は会食形式につきましては、1回につき10名以上というような数字、大体の人数、このぐらい来てくださいというのはあるんですけれども、配食・宅食については特に規定は設けてございません。今回、手を挙げている団体、4団体ございますけれども、まだ計画の段階ですが、大体、週に10名程度から50名ぐらいまでとかなり幅広い内容で計画が出されているところでございます。
 区としては、今回、各団体が補助上限、206万という上限がございますけれども、その上限の中で、できる範囲で実施していただければなというふうに考えているところです。
 以上です。

200:
◯中島雄太郎委員  食堂と区が定期的に情報共有を行うことが今回の補助金の条件とされていますが、具体的にどのような形で情報共有が行われるのでしょうか。
 また、こども食堂の利用者は、自身の個人情報が行政に共有されているとは想定していないというふうに思いますけれども、この点について利用者への説明はどのようにお考えでしょうか、伺います。

201:
◯こども家庭支援課長  食堂と区との情報の共有というところでございますけれども、この方法としては、年に6回ほどフードドライブを開催してございます。あとは年に2回連絡会も開催してございますので、こういった機会を使いまして、団体さんと区側、区としては、我々担当と、あと養育支援課のほうの虐待対応のワーカーなども同席を今考えているところでございます。そこでは原則として、詳細な個人情報のやり取りは今のところ考えてはございません。
 ただ、団体さんのほうで虐待等の緊急性がある場合というのは、当然、一般的な通告・通報として扱うことも可能性としてはございますけれども、通常はそこまでの個人情報ではなくて、お伺いした家庭、もしくはこども食堂に来ている家庭で、こういったお困り事があるようですとか、こういった支援が必要な家庭があるようですといったような情報をこちらが確認をして、例えば支援が必要だという場合は、団体さんを通して関係部署の窓口ですとか、連絡先をお教えする。場合によっては、直接連絡してもらうといったような、そういったつながりをつくっていきたいというふうに考えてございます。
 この虐待等の対応につきましては、現在の月1回のこども食堂でも虐待対応の研修なども行いまして、何かありましたら連絡をくださいということをやってございます。また、個人情報などを取り扱うというものではございませんので、現時点で特段、利用者へ説明するといったところは考えていないところでございます。ただ、個人情報は大事な視点でございますので、適切に対応しながら今後も支援につなげていきたいと考えているところです。
 以上です。

202:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。こども食堂を通してこどもを取り巻く問題の早期発見、解決を図ることは有意義だと考えます。しかし、一方で、取組により情報共有を嫌がる家庭の利用控えや、こども食堂は支援が必要なこどもが行く場所というイメージが強くつき過ぎてしまうことによって、利用をちゅうちょする家庭が増える可能性も懸念されます。こういった点についてはどのようにお考えでしょうか。

203:
◯こども家庭支援課長  確かに以前、こども食堂といいますと、貧困家庭の行くところというイメージがあるというような、これは私も課長になってからお伺いしたことがございます。ただ、区では先ほども申し上げたとおり、貧困対策以外に居場所として、地域の助け合いの場所として、誰でも来て構わない場所ですよというような周知は行ってきたところでございます。また、昨今、新聞報道等でもこども食堂の多面的な機能を紹介する場面も増えてございますので、実際にこれが団体数や利用者の増加につながっていると考えてございます。
 ですので、今後も、今回、団体とも共有等、いろいろな連携はしていきますけれども、当然、区としては貧困家庭という場所でなく、支援が必要な家庭のお子さんだけが来るというものではなくて、こども食堂、こういったものが理解されるように努めてまいりたいと考えております。
 以上です。

204:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。終わります。

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