江東区議会議員 中島雄太郎

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子育て 予算審査特別委員会 2026年3月4日

放課後児童支援員の処遇改善──キャリアアップ事業の実施内容と委託料増額の賃上げ効果を検証

📋 この質問のポイント

目的

会派として早期実施を求めてきた放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業が、令和8年度予算に盛り込まれた。事業の具体的内容を確認するとともに、令和7年度に区が選択した「委託料増額」という手法が実際に支援員の賃上げにつながったのかを検証し、効果の把握が不十分なまま同じ手法を繰り返さないよう求める。

質問

  1. 令和8年度予算における本事業の対象範囲・補助額・国都区の負担割合
  2. 令和7年度の委託料増額(総額約1億2,600万円・5.7%増)は実際に支援員の賃上げにつながったか
  3. 委託料増額はキャリアアップ処遇改善事業と比較して効果的な手段だったと言えるか、率直な評価
  4. 効果の検証が不十分なまま令和8年度も同じ手法を繰り返すことへの見解

答弁

事業内容(地域教育課長)

対象は江東きっずクラブB登録及び私立学童クラブの放課後児童支援員。令和8年度予算における補助額は6,391万円で、国・都・区が3分の1ずつ負担する。

委託料増額の効果検証

令和7年6月の事業者ヒアリングでは、学校内クラブを運営する11事業者のうち8事業者が「給与、賃金面での効果があった」と回答。一部事業者では常勤職員の年間平均給与を60万円から70万円、非常勤職員の時給を100円から150円程度アップさせた事例がある一方、賃上げを行っていない事業者も3事業者あった。何%の賃上げが実現したかの具体的数字は決算前のため示されず、区は当該年度の処遇改善状況の把握を次回ヒアリングに向けての検討課題とすると答弁した。

令和7年度対応の評価

B登録支援員の処遇改善のみを考えた場合には委託料の増額よりも本事業のほうが直接的な処遇改善が期待されると認めた上で、A登録支援員を含むきっずクラブ全体の委託料を社会・経済状況に見合ったものにするため、令和7年度の委託料増額は意義があったと答弁した。

結果

令和7年度の一般質問・予算審査特別委員会からの求めを経て、令和8年度予算に本事業の実施が盛り込まれた。一方、委託料増額の賃上げ効果は具体的な数字での把握に至っておらず、区は収支報告の確認を通じて給与・時間単価の変化を確認していくと答弁した。国・都の補助事業は速やかに活用する姿勢を引き続き求めていく。

📄 議事録全文を読む

※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。

令和8年予算審査特別委員会 本文 : 2026-03-04
—————————————————————-
63:
◯中島雄太郎委員  よろしくお願いします。
 放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業について伺います。
 令和7年度の一般質問及び予算審査特別委員会において、会派として本事業の早期実施を求めてまいりました。時間はかかりましたが、令和8年度予算において本事業の実施が盛り込まれたことを評価いたします。
 まず、令和8年度予算における本事業の具体的な内容について伺います。対象となる支援員の範囲、補助額、事業費の総額及び国・都・区の負担割合をお示しください。

64:
◯地域教育課長  本事業は、放課後児童支援員の経験年数等に応じた賃金改善の仕組みを設ける場合に委託事業者等に対して補助を行うものでございます。
 江東きっずクラブB登録及び私立学童クラブの放課後児童支援員が対象となります。
 令和8年度予算における補助額は6,391万円で、国・都・区がそれぞれ3分の1ずつを負担いたします。
 以上でございます。

65:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。
 次に、昨年度の対応についての検証を伺います。
 令和7年度は、キャリアアップ処遇改善事業ではなく、委託料を総額約1億2,600万円、5.7%増額するという対応が取られました。その際、基本的には委託事業者の判断において放課後児童支援員の処遇改善にも待遇していくものと考えるとの答弁がありました。一方で、同時に、委託事業者の中には既に十分な賃金水準にあると考えている事業者も存在しているとの答弁もありました。
 令和7年度の事業者ヒアリングの結果、委託料の増額は実際に支援員の賃上げにつながったのでしょうか。賃上げに充てた事業者の割合や賃上げの幅など、具体的な結果をお示しください。

66:
◯地域教育課長  令和7年6月に実施いたしました事業者ヒアリングにおきましては、学校内クラブの運営をしている11事業者のうち8事業者が「給与、賃金面での効果があった」と回答しております。残る3事業者のうち1事業者からは「もともとの給与設定が高いため、効果はなかった」、2事業者からは「今後検討する」との回答を得ております。
 今年度はまだ決算を迎えていないため、現時点で具体的な金額や上昇率をお答えするのは困難でございますが、各事業者に毎年提出を求めております委託料の収支報告を確認する際に、各クラブにおける常勤職員の年間平均給与や補助員等の時間単価がどのように変化したのか、今後確認してまいります。

67:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。
 ここが重要な点でありますが、昨年の予算審査特別委員会において、私はキャリアアップ処遇改善事業には国3分の1、東京都3分の1という財政的メリットがあること、また、委託料増額よりも支援員の処遇改善に直接的な効果があることを指摘いたしました。
 令和7年度に委託料増額を選択し、本事業を実施しなかったことについて、結果的にどのように評価されていますか。委託料の増額は、キャリアアップ処遇改善事業を実施した場合と比較して、支援員の処遇改善にとって効果的な手段であったと言えるのかどうか、率直な評価を伺います。

68:
◯地域教育課長  放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業が対象としておりますB登録の放課後児童支援員の処遇改善のみを考えた場合には、委託料の増額よりも同事業のほうが直接的な処遇改善が期待されますが、それ以外のA登録の支援員をはじめとしたきっずクラブ全体の委託料を社会・経済状況に見合ったものにするため、令和7年度予算における委託料の増額は極めて意義があったものと考えております。
 以上でございます。

69:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。
 令和8年度においてもA登録の支援員については委託料の増額によって賃上げを図るとのことですが、先ほどの答弁では、令和7年度の委託料増額について11事業者中8事業者が「効果があった」と回答したとのことですが、具体的に何%の賃上げが実現したのかという数字はお示しいただけませんでした。区は約6%の委託料増額を行いましたが、それに見合う水準の賃上げが実現したのかどうか、現時点では分からないということです。また、残る3事業者については「賃上げを行っていない」という回答です。
 令和8年度も同じ手法、すなわち委託料の増額によって支援員の賃上げを実現しようとするのであれば、まず、令和7年度の委託料増額がどの程度の賃上げ効果をもたらしたのか具体的な数字で検証する必要があると考えます。効果の把握が不十分なまま同じ対応を繰り返すことは適切ではありません。区の見解を伺います。

70:
◯地域教育課長  令和7年6月に実施いたしました事業者ヒアリングにおきまして、一部の事業者からは、常勤職員の年間平均給与額を60万円から70万円にアップさせたという事例や、非常勤職員の時給を100円から150円程度アップさせたという事例も聞いておりますが、ヒアリングの時点では「今後検討する」と回答した事業者もあり、決算を待たなければ十分な把握は困難と考えます。
 しかしながら、少しでも当該年度の処遇改善状況を把握していくことにつきましては、次回のヒアリングに向けての検討課題とさせていただきます。
 以上でございます。

71:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。今後も支援員の賃上げを進めていく中においては、この委託料の増額というものが支援員の賃上げに本当につながるのか、どの程度の効果があるのかという検証・分析というのは極めて大事だと思いますので、そこはしっかりとやっていただきたいというふうに思います。
 令和7年度に委託料の増額という選択をされましたが、本年度改めてキャリアアップ処遇改善事業の実施に踏み切られたということは、委託費の増額のみでは処遇改善の実効性に限界があったことを区としても認識されたものと受け止めております。
 私は令和7年2月の一般質問において、本事業を実施しなければ、先行自治体との待遇格差が支援員の人材流出を招くこと、事業者からも本区の施設に質の高い人材を配置することが困難であるという声が上がっていることを指摘いたしました。昨日の本事業に関する質疑でまさにそうした状況が現実のものになったことが確認されています。
 結果的に見れば、あの段階で本事業を実施していれば、国と都の補助を活用しながら、より早く、より直接的に支援員の処遇改善を進めることができました。放課後児童支援員に限らず、保育士、介護職員、こうしたエッセンシャルワーカーの人材確保は自治体間の競争になっております。区民生活に直結する分野で打てる手を出し惜しみすれば、その間に人材は待遇のよい他区に流れます。活用できる国や都の補助事業は速やかに活用するという姿勢を強く求めて、質問を終わります。

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