人口増加数23区最多の江東区、将来の医療需要推計と病床確保への区の関与を問う
目的
国勢調査速報で、本区は前回調査からの人口増加数が23区最多となりました。一方で人口10万人当たりの病床数は23区平均を下回り、本区が属する区東部医療圏は3区いずれも平均以下です。湾岸部の子育て世代がいずれ高齢期を迎えれば、医療需要は大きく変わります。病院の多くが民間によって担われ、区の計画の外に置かれてきたことを踏まえ、区が主体的に関与すべきではないかを問いました。
質問
- 地域の医療提供体制の確保を民間任せにせず、区民生活を支えるために区が関与すべき課題と認識しているか。
- 人口動態を踏まえた将来の医療需要を独自に把握・推計しているか。特に湾岸部が高齢化する局面で必要となる医療提供体制をどう見込んでいるか。
- 基準病床数に対し既存病床数がなお下回る区東部医療圏において、人口増加の実態を都の医療計画や地域医療構想の議論に反映させ、能動的に取り組むべきではないか。
答弁
区の基本的な認識(健康部長)
病院開設や病床整備は、医療法に基づき都道府県が医療計画で定めるものと答弁しました。区の基本的役割は初期救急医療体制の整備や在宅医療としつつ、医療提供体制を区民の生命と健康、暮らしの安心を支える社会基盤と認識し、都や地域の医療機関と連携して体制の充実に努めているとしました。
将来の医療需要の把握(健康部長)
医療需要について区独自の将来推計は行っていないと答弁しました。ただし、大規模集合住宅による人口急増や年齢構成の偏りによる需要変化の把握に努めているとし、今後は南部地域などを中心に、回復期・慢性期医療、在宅療養、医療と介護の一体的提供への需要が伸びると想定していると答弁しました。
医療提供体制確保の取組(健康部長)
東京都の地域医療構想調整会議を通じて都と情報共有してきたこと、平成26年開院の昭和医科大学江東豊洲病院を区が関与して整備してきたことを挙げました。今後は急性期から在宅医療まで切れ目なくつながる体制の構築に向け、都・区内医療機関・医師会と連携していくとしました。
結果
区は、医療提供体制を区民の暮らしを支える社会基盤と位置づけ、湾岸部を含む南部地域で回復期・慢性期・在宅医療の需要が伸びるとの見通しを答弁で示しました。
一方、将来の医療需要について区独自の推計は行っていないことを確認しました。都の医療計画への働きかけは、既存の調整会議を通じた情報共有を中心とする答弁にとどまりました。
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※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。
大綱3点目、人口増加が全国で著しい本区における医療提供体制の在り方について質問いたします。
先般公表された昨年実施の国勢調査の速報によれば、前回調査からの人口増加数が東京23区で最も多かったのは本区であります。区民は今なお増え続けております。これは、本区の活力のあらわれであり、誇るべきことです。しかし、同時に、急増する区民の暮らしを社会の基盤が支え切れるのかという問いを私たちに突きつけております。
その基盤の一つが医療です。本区の人口10万人当たりの病床数は23区の平均を下回っており、本区が属する区東部医療圏は、墨田区、江戸川区とともに3区いずれもが平均以下という医療資源の手薄な圏域であります。人口が23区トップのペースで増え続け、とりわけ、今まさに増え続けている湾岸部の子育て世代がいずれ高齢期を迎えれば、医療需要は質・量ともに大きく変化してまいります。問われているのは、この変化を行政が見通し、先んじて備えているかということであります。
そこでまず、区の基本的な認識と姿勢について伺います。私が問いたいのは、行政の関与の在り方そのものであります。特別養護老人ホームや保育施設のように公共性の高い施設については、区が需要と供給を把握し、計画を立て、整備に取り組んでおります。
ところが、病院はその多くが民間によって担われているがゆえに区の計画の外に置かれ、地域に病床が足りているのか否かという議論すら十分になされてこなかったのではないでしょうか。しかし、地域の医療提供体制が区民の生命と生活に直結することは、その担い手が公立であろうと民間であろうと何ら変わりはありません。区は、地域の医療提供体制の確保を民間任せにすべき問題ではなく、区民生活を支えるために、区が関与すべき課題と認識しておられるのか、まず伺います。
次に、その前提となる将来需要の把握について伺います。
医療提供体制が十分かどうかは、現在の病床数だけでなく、将来の医療需要をどう見通すかによって決まります。人口増加が23区一であり、かつ湾岸部に若い世代が集中する本区は、これから数十年かけて医療需要が急激かつ特異な形で変化する自治体です。
そこで伺います。区は、こうした人口動態を踏まえた将来の医療需要の見通しを独自に把握・推計しておられるでしょうか。とりわけ湾岸部の人口構成が将来高齢化していく局面で必要となる医療提供体制をどのように見込んでおられるのか、区の認識を伺います。
その上で、区の具体的な取組について伺います。
病床数は、医療計画において二次医療圏ごとに管理され、その決定権は都にあります。しかし、区民の医療需要が変化していくという見通しを最も具体的に把握し得るのは、現場に最も近い本区にほかなりません。決定権が都にあるからこそ、区がその実態と将来見通しを都に伝え、必要な医療提供体制の確保を働きかけなければ、誰もこの問題に声を上げないまま、病床の不足が現実のものとなりかねません。
なお、本区が属する区東部医療圏は、基準病床数に対して既存病床数がなお下回っており、制度上、病床を増やす余地も残されています。区は人口増加23区一という実態を都の医療計画や地域医療構想の議論に反映させ、医療提供体制の確保に向けて能動的に取り組むべきと考えますが、区の見解を伺います。
人口増加23区一という本区の活力を区民の安心につなげられるか否かは、急増する人口を支える社会基盤を行政が先んじて備えられるかにかかっております。医療はその最たるものです。民間が担う領域であることを理由に傍観するのではなく、区民の生命を守る基盤として区が主体的に向き合うことを求め、私の質問を終わります。
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