千石データセンター計画への区の主体的関与——協定・要綱・地区計画・稼働後モニタリング
目的
千石データセンター建築計画では、騒音・排熱・排気に加え、非常用発電機用の重油保管や稼働時の排気ガスなど、複合的な影響への懸念が地域で続いています。国・都の統一的なルール整備には時間を要する一方、工事着工は目前に迫っています。この時間軸のギャップを踏まえ、現行制度の範囲内で区が主体的に関与すべきではないかを問いました。
質問
- データセンターの環境影響への対応について、区として主体的に関与すべき役割の範囲にあるとの認識はあるか。
- 着工が迫る中、協定締結や要綱の運用強化等により、現行制度の範囲内でより踏み込んだ対応を図ることは可能ではないか。
- 印西市の例を踏まえ、地区計画の見直し等を通じてデータセンターの立地や運用の在り方をコントロールすべきではないか。
- 環境データの標準化、第三者による検証、稼働後のモニタリングを協定に位置づけ、継続的な監視・検証の仕組みを構築すべきではないか。
答弁
区の役割認識(区長)
環境影響のルールづくりは本来は国や都が主導すべき課題としつつ、建築紛争予防の観点から基礎自治体の役割も求められており、区としても主体的に関与すべき範囲があると答弁しました。法令上の規制権限を超える対応は困難としたうえで、事業者による丁寧な説明や資料提示を促し、住民と事業者の調整に努めているとしました。
制度運用の強化(区長)
建設対応方針、指導要綱、ガイドラインの公表などの取組を挙げたうえで、協定や要綱は法的拘束力を有しない任意の取組であり、現行法令を超える規制は事業者の権利侵害など法制度全般への影響を考慮する必要があるため、慎重な検討が求められると答弁しました。
地区計画の活用(区長)
準工業地域を対象に、地区計画による用途規制の導入可能性を検討してきたと答弁しました。ただし、環境影響の基準や知見が十分でないこと、地権者や事業者の土地活用に影響が及ぶ可能性があることから、引き続き慎重な検討が必要との認識を示しました。当面は都市計画マスタープラン等に基づく任意の指導で対応し、国・都の動向を見極めるとしました。
稼働後の対応(区長)
環境データの標準化・第三者検証・稼働後モニタリングを協定に位置づけることは「望ましい」と答弁しました。一方、制度化は環境基準等の妥当性に課題があるため慎重に対応するとしました。まずは稼働後の継続的なモニタリングと地域との対話に重点を置き、日本データセンター協会に地域共生ガイドラインの実効性ある取組への協力を求めるとともに、同様の課題を抱える他自治体とも連携するとしました。
結果
区は、データセンター問題について区として主体的に関与すべき範囲があると認め、稼働後モニタリング等を協定に位置づけることを「望ましい」としました。あわせて、日本データセンター協会への協力要請と他自治体との連携という対応の方向性を示しました。
一方、協定・要綱の運用強化、地区計画の活用、監視・検証体制の制度化については、いずれも「慎重な検討」との答弁にとどまりました。
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※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。
◯6番(中島雄太郎議員) 江東新時代の会の中島雄太郎です。大綱3点について質問いたします。
本日取り上げる3つのテーマは、データセンター、マンション、そして医療と、一見異なるものであります。しかし、いずれにも通底する問いがあります。それは、民間が担い、行政の手が直接及びにくい領域であっても、それが区民の生活や生命に直結する以上、区は傍観せず、主体的に関与すべきではないかという問いであります。この視点から順に質問いたします。
大綱1点目、千石データセンター建築計画について質問いたします。
千石データセンター建築計画については、騒音、排熱、排気に加え、非常用発電機に使用される重油の保管や稼働時に発生する排気ガス、臭気など、多面的かつ複合的な影響が想定されており、住環境に密接に関わる課題として、地域に強い懸念が生じております。
特に非常用発電機については、大量の重油を施設内に保管することへの安全性の懸念に加え、稼働時における大気環境への影響、さらには災害時や停電時に長時間稼働する可能性など、平時にとどまらないリスクとして住民に受け止められております。
また、周辺住民からは、低周波音を含む騒音への不安、排熱による周辺環境の変化、さらには稼働後の実態が見えにくいことへの不信感など、切実な声が多数寄せられているところであります。
本件は、長期的に生活環境へ影響を及ぼし得る案件であると同時に、今後の市街地におけるデータセンター立地の在り方を左右する先行的な事例であると認識しております。
まず、区の役割認識について伺います。データセンターに係る環境影響への対応については、本来、国や東京都による統一的なルール整備が求められるものであります。一方で、国においては、自治体による対応も合理的とされているところであり、本件について、区として主体的に関与すべき役割の範囲にあるとの認識はあるのか、見解を伺います。
次に、制度運用の強化について伺います。
制度改正には一定の時間を要する一方で、本件は工事着工が目前に迫っております。こうした時間軸のギャップを踏まえれば、現行制度の範囲内においても、区として主体的かつ機動的に対応していく必要があります。具体的には、協定締結や要綱の運用強化等により、より踏み込んだ対応を図ることは可能であると考えますが、見解を伺います。
次に、地区計画の活用について伺います。
印西市は地区計画の見直しを通じて、データセンターに対する一定の規制や誘導を検討しております。本区においても、地区計画の見直し等を通じて、データセンターの立地や運用の在り方を主体的にコントロールし、まちづくりへ反映していくべきではないでしょうか、見解を伺います。
次に、稼働後の対応について伺います。
環境データの標準化、第三者による検証、稼働後のモニタリング体制の制度化については、現状では十分とは言えません。住民と事業者との協定等において、これらの事項を明確に位置づけるとともに、継続的かつ実効性のある監視・検証の仕組みを構築すべきと考えますが、見解を伺います。
本件は、環境負荷や住環境への影響といった課題が顕在化する中で、行政の役割が強く問われているものであります。一方で、制度面における整理は十分とは言えず、国、東京都、基礎自治体のみでの対応には一定の限界があることも事実です。
こうした状況において最も重要であるのは、事業者自身が社会的責任及び道義的責任を自覚し、地域社会との共生に向けて主体的に行動することであります。単なる法令遵守にとどまらず、住民の不安に真摯に向き合い、丁寧な説明責任を果たすとともに、自主的な配慮措置を講じていく姿勢と実行が強く求められます。
本年5月1日には、日本データセンター協会がデータセンター地域共生ガイドラインを公表したところであります。この動きを好機と捉え、事業者のみならず業界全体の主体的な対応を引き出していくことも重要です。本区においても、こうした視点を踏まえた実効性ある対応を求め、次の質問に移ります。
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