江東区議会議員 中島雄太郎

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防災 予算審査特別委員会 2026年2月27日

新木場防災倉庫ヘリポートの運用実効性とドローン活用

📋 この質問のポイント

目的

令和8年度予算案に計上された(仮称)新木場防災倉庫のヘリポート整備について、施設をつくることと災害時に確実に機能させることを区別し、物資輸送の全体像・運用計画・ドローン活用の設計反映を問うた。区政世論調査では防災対策が区民要望の第1位(46%)であり、水彩都市の江東区では橋梁損壊時に物資を届ける「空の道」の確保が課題となる。

質問

  1. ヘリポートを使い、どのような災害シナリオの下で何を実現するのか。二次輸送の手段、ヘリ要請の判断、意思決定フローを含む災害対応の全体像
  2. 令和11年の竣工までに、運用マニュアルの策定と年1回以上の関係機関合同訓練を計画し、工程を示す考えはあるか
  3. 令和8年度が設計年度であることを踏まえ、ドローン運用の要件を設計に反映させる考えはあるか
  4. 災害時ドローン協定の拡充と、設計期間中の区内での実証飛行を開始する考えはあるか

答弁

物資輸送の全体像(防災計画課長)

木場公園・夢の島公園競技場など19か所をヘリポート使用候補地として定め、空輸後は避難所や防災倉庫へ陸送、道路状況によっては舟艇による水運も活用する。ヘリの要請は区長を本部長とする災害対策本部で決定し、消防・自衛隊への支援要請、トラック協会等への協力要請を行う流れと説明した。

運用計画・訓練

令和8年度に策定する災害時輸送計画において、当該倉庫を含む区内防災倉庫の支援物資の受入れ・仕分・配布・輸送ルートの明確化を計画すると答弁。訓練は現時点で工程は示せないとしつつ、既存訓練の活用を検討するとした。

ドローンの設計反映

技術・制度面の課題から実運用は進展を見極めて検討するとしつつ、ヘリの離発着が可能な規模と安全設備があれば施設を大きく改修せずドローンにもそのまま活用できるとの見解を示した。その上で、ドローンは救援活動等に有効であり、当該ヘリポートでの運用についても検討すると答弁した。

実証飛行・協定拡充

実証実験の必要性は認めつつ、現時点では総合的に検討が必要との答弁にとどまった。他機関の実証実験や展示会等への参加による情報収集と、協定の締結先確保・内容拡充の検討を続けるとした。

結果

令和8年度策定の災害時輸送計画で新木場防災倉庫の運用が具体的に計画化されること、ドローンの活用は有効であり当該ヘリポートでの運用も検討することを、区は答弁で示した。一方、設計期間中の実証飛行の開始には至っていない。設計年度である令和8年度のうちに、ドローンを含めた空路活用の具体化を進めるよう求めた。

📄 議事録全文を読む

※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。

令和8年予算審査特別委員会 本文 : 2026-02-27
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73:
◯中島雄太郎委員  よろしくお願いします。令和8年度当初予算案に計上された(仮称)新木場防災倉庫整備事業、とりわけヘリポート整備について伺います。
 第27回江東区政世論調査によれば、区民が区に最も力を入れてほしい施策の第1位は、防災対策で46%に上ります。また、大地震発生時に最も不安なことのトップは、ライフラインの途絶、停電、断水、電話で43.1%、求める防災対策のトップは、非常用飲料、水などの応急物資の確保で50.8%となっています。水彩都市である本区において橋梁崩落等で陸路が絶たれた際、孤立した避難所やエレベーターが停止したタワーマンションの高層階へ物資を届ける空の道の確保は、区民の最大の不安に直結する急務です。
 その意味で、予算案に計上された新木場防災倉庫へのヘリポート整備は、23区最大規模の防災拠点に空路機能を加えるものとして高く評価いたします。ただし、ヘリポートを整備することと災害時に確実に機能させることは別の話です。予算資料では、「消防・自衛隊と連携した空輸での物資輸送等を実現」と記載されており、目的そのものは明確であります。しかし、その物資輸送を実際にどう動かすのか。発災からヘリが飛び、物資が避難所に届くまでの一連の流れが現時点でどこまで描けているのかが見えません。
 そこで伺います。区はこのヘリポートを使って、どのような災害シナリオの下で何を実現しようとしているのか。例えば、ヘリで搬入された物資を区内のどの拠点避難所へどのような手段で届けるのか。陸路が使える場合と使えない場合でオペレーションはどう変わるのか。他自治体からの救援物資の受入れに当たり、消防・自衛隊のヘリをどの段階で誰の判断で要請するのか。区の災害対策本部における意思決定フロー、都・国との連携窓口を含め、この施設整備によって実現する災害対応の全体像を伺います。

74:
◯防災計画課長  (仮称)新木場防災倉庫の設置予定のヘリポートの運用に関する御質問にお答えします。
 (仮称)新木場防災倉庫におけますヘリポートを活用した物資輸送につきましては、当該倉庫のほか、地域防災計画に定めております木場公園ですとか、夢の島公園競技場、都立亀戸中央公園など19か所をヘリポートの使用候補地として定めてございます。そちらへ物資を空輸いたしまして、避難所や防災倉庫へ陸送、また、道路状況によりましては、舟艇を活用した水運により輸送することとしてございます。また、陸路が使用できない場合には空路、使用できる場合であっても、当該施設の空路については併用するような想定を考えておるところでございます。
 また、発災時の物資輸送に当たりましては、国や東京都、協定締結自治体ですとか、物資の優先供給を協定しております協定締結先などの要請は、区長を本部長といたします災害対策本部において決定をいたしまして、ヘリコプターによる物資輸送等の救援活動を行っていただく消防や自衛隊に対して支援要請を行うとともに、陸送を担っていただくトラック協会など、輸送に関する協定の締結先に対しての協力要請を行うといった流れとなってございます。
 また、連携窓口につきましては毎年度確認を行うとともに、発災時には消防や自衛隊などの防災関係機関から災害対策現地情報連絡員が区の災害対策本部のほうへ派遣されることになっておりまして、連携体制についてはこのような形で構築できております。
 以上です。

75:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。19か所のヘリポート候補地への空輸、陸送、水運による二次輸送、災害対策本部を起点とした意思決定フローと全体像を御説明いただきました。その上で運用の実効性確保について伺います。
 先行事例が多くない類型の設備だからこそ、施設完成後に運用を詰めるのでは遅く、竣工までに運用マニュアル、このヘリポートをですね、受入れ基準、地上動線、物資の荷さばき、燃料、安全管理、夜間・悪天候時の対応等を整備し、消防・自衛隊等との合同訓練を実施して初めて拠点としての機能が担保されます。令和11年の竣工までの期間に、運用マニュアルの策定と、少なくとも年1回以上の関係機関合同訓練、これは机上訓練を含めてですけれども、を計画し、区としての工程を示す考えはあるのか伺います。

76:
◯防災計画課長  実効性の確保に関する御質問にお答えいたします。
 令和8年度に策定を行うこととしております災害時輸送計画におきましては、(仮称)新木場防災倉庫が整備されることを踏まえまして、保管量ですとか物流量が増加した場合にも対応可能なものとすることとしております。また、支援物資の受入れですとか、仕分、配布、輸送ルートの明確化など、当該施設を含む区内防災倉庫等の運用について計画をすることとしてございます。
 また、訓練につきましては、実効性確保の観点からも重要であると考えてございまして、現時点では工程をお示しするというものはございませんが、既存の訓練の活用などを検討していきたいと考えているところでございます。
 以上です。

77:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。ただいまの答弁で、令和8年度に策定する災害時輸送計画において、本新木場防災倉庫を含む区内防災倉庫に支援物資の受入れ、仕分、配布、輸送ルートの明確化を含め計画するとのことでした。これは非常に大きな前進だと思います。であれば、その輸送計画やこの施設の設計において、先ほど堀川委員が提案されたのと同様に、私もヘリだけでなくドローンの活用も視野に入れるべきと考えます。
 ヘリコプターによる空輸は、大量の物資を広域から拠点へ運ぶ大動脈として重要です。一方で、拠点から各避難所、孤立地点へ届けるラストワンマイルには別の手段が必要です。令和6年能登半島地震でも、ドローンが孤立地域への物資輸送に活用されました。23区内でも、港区は芝浦からお台場学園屋上まで約1.8キロメートルをドローンで結ぶ緊急物資輸送の実証を実施し、三井不動産は日本橋三井タワー屋上に常設ドローンポートを設置して、首都直下地震時の上空情報収集体制を構築しています。被災状況の把握にとどまらず、物資輸送やインフラとしてのドローンの常設化が進んでおります。
 本区も、令和2年にミライト・テクノロジーズとドローンに関する災害協定を締結し、土木部でドローンを保有し、令和3年度には豊洲スマートシティ推進協議会と連携した物資配給訓練も実施しています。つまり、本区には既にドローン活用の土台があるのです。しかし、これらは単発の取組にとどまっており、物資輸送を含めた防災ドローンの制度設計には至っておりません。水彩都市として橋梁損壊による地域孤立のリスクを抱え、豊洲・有明・東雲にタワーマンションが林立する本区こそ、ドローンによる物資輸送の必要性が高い自治体です。
 そして、本事業のスケジュールは、令和8年度が設計、令和9年度から工事に着手です。ドローンの格納スペース、電源容量、通信配線といったハード要件は、設計図面に織り込まなければ実現できません。令和8年度中に要件を固めるかどうかが、この防災倉庫がヘリ専用の拠点で終わるのか、将来的にドローンを一体運用できる拠点になるのかの分岐点です。
 そこで伺います。令和8年度が設計年度であるという事業スケジュールを踏まえ、ドローン運用の要件を設計に反映させることについて、区としてどのように対応するか考えを伺います。

78:
◯防災計画課長  施設の設計にドローン運用を反映させるかどうかということへのお尋ねでございます。
 災害時におけますドローンの活用につきましては、近年の実災害におきまして、被災状況調査や情報収集、物資輸送に活用が進んでおりまして、国や自治体をはじめ様々な機関で実証実験が行われているものでございます。一方で、現時点におきましては、輸送能力が限られることですとか、通信環境に影響を受けること、あとは空域調整、航路が未整備であるといったことなどから、技術・制度面から実運用にはまだまだ課題があるものと認識をしているところでございます。こうした技術等の進展を見極めながら検討する必要があると考えてございます。
 また、現在、航空法などでドローンを離発着させるために施設として求められる要件というものは特段ございませんで、ヘリコプターの離発着ができる規模ですとか、安全設備を備えているものであれば、そのまま運用可能であると考えているものでございます。将来、あくまでも現時点での法制度の中での推察となりますが、本格運用をドローンで行うとした場合にも、施設を大きく改修せずにそのまま活用ができるものと考えているところでございます。
 災害時におけるドローンの活用につきましては、技術面等の進展により実装が進めば、救援活動等に有効であると考えてございますので、当該ヘリポートの運用についても検討していきたいと考えております。
 以上です。

79:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。ドローンの活用は救援活動等に有効であり、当該ヘリポートでの運用も検討するとの御答弁でした。であれば、検討を具体化するためにもドローンの実証が不可欠です。設計図面上の想定と実際にドローンの機体を飛ばした際の課題は異なります。風の状況、電波環境、離着陸の安全確認は現地で飛ばさなければ分かりません。新木場防災倉庫はこれから建設する施設ですが、だからこそ竣工前に区内の既存施設や新木場周辺で実証飛行を重ね、得られた知見を設計・運用計画にフィードバックすることが重要です。
 本区は、令和3年度に豊洲スマートシティ推進協議会と連携した物資配給訓練を実施しています、ドローンを用いたですね。こうした経験を一度切りで終わらせず、継続・発展させるべきです。既存の災害時ドローン協定の対象を物資輸送・広域情報収集にまで拡充し、併せて常設ドローンポート運用等に強みを持つ事業者との新たな連携も視野に入れ、設計期間中に区内での実証飛行を開始する考えはあるか伺います。

80:
◯防災計画課長  実証飛行に関するお尋ねでございます。
 実際にドローン運用を行うに当たりましては、安全面ですとか、輸送効率など様々な検証を行うために実証実験が必要と考えてございますが、現時点では、やはり実運用に向けた課題も多いところから、総合的に検討が必要と考えているところでございます。
 一方で、技術が進歩している分野でもございますので、様々な機関が実施しております実証実験ですとか、製品の展示会など参加を行いまして、情報収集に努めていきたいと考えているところでございます。
 また、協定の拡充につきましては、締結先の確保であるとか、内容の拡充などは引き続き検討していきたいと考えてございます。
 以上です。

81:
◯中島雄太郎委員  ありがとうございます。今回の質疑を通じて、令和8年度の災害時輸送計画において新木場防災倉庫の運用を具体的に計画化すること、そして、ドローンの活用は有効であり当該ヘリポートでの運用も検討するとの答弁をいただきました。また、ドローンに関連する協定の拡充も検討するとのことでした。繰り返しになりますが、令和8年度が本事業の新木場防災倉庫の設計年度であります。将来の研究で終わらせず、設計と輸送計画の中でドローンを含めた空路活用の具体化を進めていただくことを強く求めて、この質問を終わります。

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