江東区議会議員 中島雄太郎

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防災 本会議 2025年9月19日

在宅避難と管理組合を軸としたマンション防災の強化について

📋 この質問のポイント

目的

本区では区民の8割以上が集合住宅で生活しており、大規模災害時には在宅避難が基本となる。しかし閉じ込めにつながり得るエレベーターは区内1,300台以上に上り、通信途絶や住民同士のつながりの希薄さにより、在宅避難そのものが困難となるおそれがある。マンションの規模・築年数によって防災課題は大きく異なることを踏まえ、きめ細やかな啓発と、公助による共助基盤の支援を求めた。

質問

  1. マンションの階数、築年数、世帯構成などを考慮したマンションタイプ別のガイドラインを作成し全戸配布するなど、個々のマンションの実情に即した在宅避難の啓発活動を推進すべきではないか。
  2. マンション管理組合が主体となっている災害協力隊の結成状況はどうか。その有効性をどのように認識しているか。結成に向けた支援メニューはあるか。
  3. 先進自治体の事例を参考に、トランシーバーやポータブル電源等の購入に対する補助制度を創設すべきではないか。

答弁

マンションタイプ別の在宅避難啓発(区長)

発災時に自宅が安全であればそのまま生活を送る在宅避難を推奨しており、本年4月にリニューアルした集合住宅防災ガイドブックにより、備蓄や家具転倒防止など事前防災の啓発を行っている。マンションは規模や階数、世帯構成の違いに対応した防災対策が大切であり、それぞれの特徴を踏まえたきめ細かな啓発が必要として、効果的な啓発方法について検討すると答弁した。

管理組合主体の災害協力隊

臨海部を中心とする高層住宅において、マンション管理組合が主体となった災害協力隊は51隊結成されている。管理組合での設立は、隊の増加や活動区域の細分化が図られ、地域の防災対応力の向上に有効であると認識していると答弁。支援として、設立要件・手続の相談受付、結成後の被服や資機材の貸与、世帯数に応じた活動助成金の支給、訓練の相談受付等を行っているとした。

防災資機材の購入補助

水害時の一時避難協定を町会と締結したマンションには30万円相当の防災資機材を提供しているが、マンション管理組合に対するトランシーバーやポータブル電源等の購入経費の補助制度を創設する予定はないと答弁。引き続き他自治体の事例を研究するなど、支援の充実を検討するとした。

結果

マンションの特徴を踏まえたきめ細かな啓発の必要性を区が認め、効果的な啓発方法の検討を確認した。管理組合主体の災害協力隊51隊という結成状況と支援メニューの全体像を公の場で整理できた一方、提案した資機材購入補助制度は「創設する予定はない」との答弁にとどまった。他自治体事例の研究と支援充実の検討は確認しており、引き続き委員会で対応を求めていく。

📄 議事録全文を読む

※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。

 大綱2点目は、在宅避難と管理組合を軸としたマンション防災の強化について質問いたします。
 本区では区民の8割以上が集合住宅で生活しており、特に高層マンションでは1棟当たりの居住者数も多く、大規模災害時には在宅避難が基本となります。しかし、首都直下地震のような災害が発生すれば、通信インフラは途絶し、江東区地域防災計画によれば、閉じ込めにつながり得るエレベーター台数は1,300台以上に上ります。多くの区民がマンション内に孤立する、いわゆる高層難民となる事態が想定されます。
 加えて、エレベーターの早期復旧の困難さ、トイレの使用不可、住民同士のつながりの希薄さ、あるいは、そもそも投機による購入で住民が居住していないケースなどの問題により、在宅避難そのものが困難となり、大量のマンション居住者が避難所へ殺到することが懸念されます。
 8月21日号の区報では、マンションを例に大地震発生時のトイレ使用について、「災害後はそのまま使用しないでください」と明確に伝え、大変分かりやすい啓発が行われました。私は本年第1回定例会でも在宅避難の重要性について質問しましたが、改めてその周知が必要であると考えています。
 さらに、マンションと一口に言っても、小規模マンション、中規模、大規模、タワーマンション、あるいは築年数によって、防災上のリスクや課題は大きく異なります。例えば築年数の古い小規模マンションでは、耐震性や設備の老朽化による直接的な被害が懸念される一方、タワーマンションでは、長周期地震動による家具の転倒、移動リスクやエレベーター停止による上下移動の困難、それに伴うごみ・し尿問題など、全く質の異なる課題に直面します。それぞれの特性に応じ、求められる備蓄や訓練の在り方も異なります。行政が一定の類型化を行い、分かりやすい周知啓発を進めることが必要です。
 そこで伺います。区は、在宅避難の普及啓発にこれまでも取り組んでいますが、画一的な情報提供では限界があります。マンションの階数、築年数、世帯構成などを考慮したマンションタイプ別のガイドラインを作成し全戸配布するなど、個々のマンションの実情に即したきめ細やかな在宅避難の啓発活動を推進すべきと考えますが、区の見解を伺います。
 マンション防災を強化するためには、一定規模以上のマンションについて管理組合が主体となって災害協力隊を結成し、マンション固有の防災課題に取り組むとともに、行政との連携を深めることが重要であると考えます。
 そこで伺います。本区におけるマンション管理組合が主体となっている災害協力隊の結成状況はどうなっているのでしょうか。また、マンション管理組合が主体とする災害協力隊の結成について、その有効性をどのように認識しているのか。また、結成に向けた支援メニューがあるのか伺います。
 災害による被害を最小限に抑えるためには、情報の確保が極めて重要です。安否確認、要配慮者の特定、給水や食料配給に関する正確な情報伝達、これらが確実に行われなければ、マンション内における共助は機能不全に陥り、多くの命が危険にさらされることとなります。
 大規模災害時には携帯電話網が使用不能になる可能性が高く、その場合、マンション住民間の安否確認や災害対策本部の各フロアとの連絡には、トランシーバーやIP無線機などの独自通信手段が有効です。また、これらの機器を稼働させるには、電源の確保も不可欠です。
 自助・共助を絵に描いた餅に終わらせないためには、公助を担う行政が、基盤となる情報伝達と電源確保を具体的に支援することが必要です。共助の第一歩は、誰がどこで助けを求めているかを知る安否確認です。しかし、そのための具体的なツールがなければ、善意も行動につながりません。
 そこで伺います。自助・共助の実効性を高めるためには、情報伝達と電源確保が鍵となります。多くの先進自治体では、既にトランシーバーやポータブル電源等の購入に対する補助制度を導入し、成果を上げています。こうした事例も参考に、本区においても、区民の命を守る防災基盤を整備するため、同様の補助制度を創設すべきと考えますが、区の見解を伺います。
 以上、在宅避難と管理組合を軸としたマンション防災の強化について伺いました。大規模災害は、いつ、どのような形で私たちを襲うか分かりません。区民の8割以上が暮らすマンションの防災対策は、まさに区政の最重要課題です。自助・共助を区民任せにせず、行政による公助がその基盤を具体的に支えることが不可欠です。行政の主体的な役割と支援を強く求め、次の質問に移ります。

26:
◯区長(大久保朋果) 中島雄太郎議員の御質問にお答えします。
 初めに、在宅避難と管理組合を軸としたマンション防災の強化についての御質問です。
 まず、在宅避難の普及とマンション特性ごとのリスク周知についてです。
 区では、一人一人のスペースやプライバシーが確保され、住み慣れた環境のため安心できること、感染症や移動によるリスクの低減などのメリットがあることから、発災時に自宅が安全であれば、そのまま自宅で生活を送る在宅避難を推奨しております。
 このため、区報等を通じて、災害時における在宅避難の重要性の周知を積極的に行ってきたところです。また、区内の集合住宅について、本年4月にリニューアルを行った防災対策をまとめた集合住宅防災ガイドブックにおいて、自宅が安全であれば在宅避難が基本であることや、そのために必要となる食料や水、携帯トイレの備蓄や家具の転倒防止対策などの事前防災の大切さについて啓発を行っております。
 マンションについては、規模や階数、エレベーターや資機材の有無、居住者の世帯構成の違いなどに対応した防災対策を行うことが大切だと考えております。このため、在宅避難については、それぞれのマンションの特徴を踏まえたきめ細かな啓発が必要であり、効果的な啓発方法について検討してまいります。
 次に、マンション管理組合を主体とした防災体制強化についてです。
 区内には災害協力隊が結成されていない自治会や、臨海部を中心とする高層住宅において、マンション管理組合が主体となった災害協力隊は51隊結成されております。
 災害協力隊がマンション管理組合で設立されることにより、住民同士が力を合わせ、区、消防等の関係機関と協力しながら防災活動を行うことや、隊の増加、活動区域の細分化などが図られ、地域の防災対応力の向上に有効であると認識しております。
 また、結成に向けた支援については、随時、設立に必要な要件や手続、活動内容に関する相談を受け付けるとともに、結成後には被服や資機材の貸与、世帯数に応じた活動助成金の支給、訓練の相談受付等を行っております。
 なお、設立後には避難所運営への協力や避難誘導、給水活動など、地域や近隣の災害協力隊と協力して行う活動もあることから、訓練を通じて地域での連携機会を創出することが必要不可欠であると考えています。
 次に、区独自の支援による防災基盤整備についてです。
 大規模災害発生時において被害を最小限に止めるためには、地域に精通した災害協力隊の的確な活動が重要であり、円滑な活動を行うための情報伝達手段の確保が必要であると考えております。
 このため、区では、非常時にスマートフォンの充電やラジオ、テレビなどの電源確保が可能となるよう、令和6年度に災害協力隊へ非常用発電機、蓄電池等の配備を行ったところです。
 なお、区では水害時に一時避難が可能となる協定を町会と締結したマンションに対して、30万円相当の防災資機材の提供を行っており、新たにマンション管理組合に対して、トランシーバーやポータブル電源などの購入経費の補助制度を創設する予定はありませんが、引き続き、他自治体の事例を研究するなど、支援の充実を検討してまいります。
 その他の御質問につきましては、所管部長が答弁いたします。

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