東京都との連携強化について
背景——なぜこの質問をしたのか
2023年4月の区議会議員選挙で初当選し、江東区では初めてとなる都民ファーストの会の議席を得た。都民ファーストの会は、小池百合子都知事と一体となり都議会で都民の課題を解決する政策を実現し、それを基礎自治体議員が区民生活に反映させることを活動目的としている。
木村弥生区長は衆議院議員時代に小池都知事と同僚であり、様々な政策をともに実現してきた同志であり、その友好関係は現在も続いている。本区の発展、区民生活の向上には東京都との連携が不可欠であり、初の本会議一般質問として、区長の都政への評価と今後の連携ビジョンを確認することは極めて重要だと判断した。
同時に、都議会で実現した事業を基礎自治体で実施状況をモニタリングするのが私の役割である。特に子育て支援・地域経済・高齢者福祉という区民生活に直結する3分野について、本区における都事業の活用状況を具体的に確認する必要があった。
質問の詳細
【子育て支援——多様な他者との関わりの機会の創出事業】
本事業は、保育の必要性のない家庭のこどもについて、認可保育所や認証保育所の定員の空きを利用して一時預かりを実施する都の新規事業。家庭で保育する場合、こどもは集団生活・集団行動の機会が少なく、多様な他者との関わりが限られるため、保育所の空きを活用した一時保育は大きな子育て支援になる。
特に認証保育所は民間企業が主体で、待機児童ゼロが実現した現在、定員に空きが生じている施設も少なくない。採算が合わなければ撤退・閉鎖という判断は合理的であり、行政としては保育所閉園を阻止しなければならない。本事業は①利用者である保護者のサポート、②こどもの他者との関わりのサポート、③事業者の経営のサポート、という3者の支援になる。
また、本区のリフレッシュひととき保育やこども支援センターみずべの一時保育では、豊洲・東雲の臨海部で予約倍率が高く、利用したいときに利用できない深刻な問題が発生している。本事業で需要を吸収すれば、臨海部の予約倍率が下がり、より多くの保護者にリフレッシュひととき保育を提供できる。可及的速やかに実施すべき事業である。
【地域経済活性化——東京都未来を創る商店街支援事業】
都が令和4年度から開始した事業で、計画策定から実行支援まで一気通貫で3年間伴走支援を行う大規模補助事業。計画策定補助金は最大166万円、事業実施後は1年目最大2,500万円、2〜3年目は最大8,333万円と、スケールの大きなプロジェクトが可能。しかし令和4年度に採択された団体に江東区の商店街はない。
地元のらくろードも、こどもの頃は日曜日の歩行者天国に人が溢れ屋台も多数出店していたが、現在は閑散としている。商店街活性化のために、今後どのように補助事業を活用していくか。
【高齢者支援——TOKYOシニア食堂推進事業】
本年度から新規実施の本事業は、食を通じた高齢者の居場所づくりを支援し、高齢者が会食活動を通して地域住民と一緒に食事を楽しみ交流することで、孤立感の軽減や心身の健康増進につながると期待される。
さらにシニア食堂は若者・現役世代と高齢者がともに活動する場として、幅広い世代の地域住民のハブとなり、新しい地域コミュニティ形成が進む。区長の掲げる共生社会の実現に寄与する取組である。こども食堂と同様に地域にシニア食堂が定着すれば、高齢者の健康や社会参加、地域活性化、コミュニティ形成など多くの利益をもたらす。本区がシニア食堂先進自治体となることを希望する。
今後の展開
「多様な他者との関わりの機会の創出事業」について、保育園空き定員活用の検討開始という答弁を得たため、今後は実施スケジュール、対象施設、定員、利用要件等の具体化を所管委員会で継続的に確認していく。特に臨海部のリフレッシュひととき保育の予約倍率改善という実効性のある形での実装を求める。
商店街支援事業は、令和4年度の申請未達を踏まえ、区職員の伴走支援体制の強化と、コロナ禍で難航した商店街内の意見調整を乗り越えるサポート体制の構築を引き続き提言していく。
シニア食堂事業は都からの要綱発出後の動向を注視し、地域ニーズを踏まえた積極的な活用を求める。地域の既存の見守り活動や「ご近所ミニデイ」との整理も含め、多世代共生コミュニティ形成の観点から議論を深める。
都民ファーストの会議員として、都議会で実現した事業の区での実施状況モニタリングを継続的に行っていく。
📄 議事録全文を読む
※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。
◯6番(中島雄太郎議員) このたび初当選させていただきました、江東新時代の会の中島雄太郎と申します。44歳、清澄白河で、3歳と1歳、2人の娘の子育てに日々奮闘しております。
昨日の区長の所信表明、大変すばらしい演説でした。私も、江東新時代の会の一員として、区長の掲げる「もっとよくなる江東区」の推進に寄与すべく、要望等の形で積極的に政策提案を行っていきたいと考えております。
さて、大綱2点伺います。
大綱1点目は、小池都政への評価と今後の連携についてです。
私の所属政党は都民ファーストの会であり、今回、本区においては、初めて都民ファーストの会の議席をいただきました。都民ファーストの会は、小池百合子都知事と一体となり、都議会で都民の課題を解決する政策を実現し、それを我々基礎自治体議員が区民生活に反映させることによって、この東京都で暮らす全ての人々の暮らしを向上させることを目的として活動しております。
木村区長は、衆議院議員時代に、小池百合子都知事とは同僚であり、様々な政策をともに実現してきた同志でもあり、また、その友好関係は現在においても続いていると認識しております。
本区の発展、区民の生活の向上には、東京都との連携が不可欠です。そこで、区長に、小池都政への評価と今後の東京都と本区の連携について、どのようなビジョンを描いているかを伺います。
私は、都民ファーストの会の議員として、都議会において都民ファーストの会が実現した事業の、本区における実施状況をモニタリングする役割を担っております。そこで、東京都の実施事業について3点、本区におけるその実施状況を伺います。
まず1点目に、子育て支援分野に関する東京都の事業の活用状況について伺います。
東京都はチルドレンファーストを掲げ、様々な子育て支援の事業を実施しております。本区においても、本年10月より、第2子保育料の無償化が実現し、子育て世帯への経済的なサポートは着実に進歩しています。その上で、本年度に新規に実施される東京都の事業である、「多様な他者との関わりの機会の創出事業」について伺います。
これは、現在の基準では保育の必要性のない家庭のこどもについて、認可保育所や認証保育所の定員の空きを利用して一時預かりを実施するという事業です。保育所を利用せずに家庭で保育をする場合、こどもは集団生活、集団行動の機会が少なく、自分とは異なる多様な他者との関わりが限られます。こどもの最善の成長のためにも、保育所の空きを活用して幅広く一時保育を実施することは大きな子育て支援になります。
また、特に認証保育所については、事業主体の多くが民間企業であり、待機児童ゼロが実現した現在、定員に空きが生じている施設も少なくありません。民間企業である以上、定員が埋まらず採算が合わないとなれば、当初の本区との契約期間を終えれば撤退して保育所を閉鎖するという選択は合理的な判断であり、今後、保育需要が減り続ければ、閉園・撤退という決断をする事業者が続発する可能性は大いにあります。しかし、保育所は社会的資源であり、その閉園は利用者である区民の生活を揺るがす大事件となります。行政としては、できる限り保育所の閉園は阻止しなければならないのは言うまでもありません。
本事業、つまり多様な他者との関わりの機会の創出事業を実施して、保育の必要性のない家庭に対しても一時保育を提供することは、利用者である保護者のサポート、こどもの他者との関わりのサポート、また、事業者の経営のサポートという3者の支援になります。江東区の子育て環境の大きな改善となります。
また、本区において既に実施されているリフレッシュひととき保育、こども支援センターみずべで実施されている一時保育において、特に豊洲や東雲の臨海部では予約倍率が高く、サービスを利用したいときに利用できないという深刻な問題が発生しています。
365日24時間続く在宅の子育てにおいては、保護者がリフレッシュできる時間を行政が提供することは、保護者の孤立防止や虐待予防のためにも重要であり、多様な他者との関わりの機会の創出事業で一時保育の需要を吸収すれば、臨海部の予約倍率が下がり、より多くの保護者にリフレッシュひととき保育を提供することができます。その観点からも、本区においては可及的速やかに実施すべき事業だと考えます。本事業の実施状況について伺います。
2点目に、地域経済活性化分野に関する東京都の事業の活用状況と今後の取組について伺います。
現在、多くの商店街が活気を失い、存続の危機にある状況を踏まえ、都では、持続可能な新しい商店街の姿を生み出すため、令和4年度より、時代の流れに対応した新たな商店街づくりに積極果敢に取り組む商店街に対して、グランドデザイン策定から実行支援まで一気通貫で、3年間伴走支援を行う、「東京都未来を創る商店街支援事業」が実施されています。
事業を実施する商店街は、計画策定の補助金として最大166万円、計画策定後の事業実施後の補助金として、1年目は最大2,500万円、2年目、3年目は最大8,333万円と、スケールの大きなプロジェクトを実施することが可能です。しかしながら、令和4年度に採択された団体には、江東区の商店街はありません。まずは江東区における本事業活用への取組状況を伺います。
私の地元であるのらくろードも、私がこどもの頃は、日曜日の歩行者天国はあふれんばかりの人が集い、多くの屋台も出店し、毎週末がお祭りのようなにぎわいでした。しかし、現在はその面影もなく、日曜日、閑散とした歩行者天国の姿は寂しい限りです。
現在、商店街振興事業として様々な支援メニューがありますが、商店街のより一層の活性化に向けて、今後、各種補助事業をどのように活用して取り組んでいくのか、伺います。
3点目、高齢者の社会参加の促進と暮らしへの支援に関する東京都の事業について伺います。
東京都では、「TOKYOシニア食堂推進事業」を本年度より新規に実施しております。本事業は、食を通じた高齢者の居場所づくりを支援し、高齢者が会食活動を通して地域住民と一緒に食事を楽しみ交流することで、高齢者の日常に楽しみが増え、孤立感の軽減や心身の健康増進につながると期待されています。
また、シニア食堂の運営を通して、若者や現役世代と高齢者がともに活動することで、言わばシニア食堂が幅広い世代の地域住民のハブとなり、新しい地域コミュニティの形成が進むことが期待されます。つまり、本事業は、多世代共生の取組の一つでもあり、区長の掲げる共生社会の実現に寄与するものと考えております。
今や、欠かせない社会的資源となっているこども食堂と同じように、地域にシニア食堂が定着すれば、高齢者の健康や社会参加の促進、地域の活性化、地域コミュニティの形成など、多くの利益をもたらすでしょう。ぜひ本事業を活用し、本区がシニア食堂先進自治体となることを希望いたします。本事業に対する考え方について伺います。
◯区長(木村弥生) 中島雄太郎議員の御質問にお答えします。
初めに、東京都との連携強化についての御質問です。
まず、小池都政への評価と今後の連携についてです。
本区と小池都政とは、これまでにも豊洲市場の移転や有楽町線の延伸、2020東京オリンピック・パラリンピックの開催、待機児童の解消に向けた取組などにおいて、真摯な議論や調整を重ねつつ、連携した取組を行ってまいりました。
小池都政への評価との御質問ですが、新型コロナウイルスへの対応をはじめ、東京都出産応援事業、いわゆる赤ちゃんファーストの実施、スピード感のある保育サービスの拡充や不妊治療の助成対象の大幅拡充、都庁における女性管理職の登用が増えたことなどの女性活躍社会の推進など、小池都知事が大幅に推進した政策は数多くあり、私としては高く評価を申し上げているところです。
次に、今後の連携についてです。
私と小池都知事とは、ともに衆議院議員であった時代に、乳児用液体ミルクの日本での製造、販売の実現、障害者や生きづらさを抱えている方々への就労支援でありますソーシャルファーム、また、無電柱化の推進などで協働した取組を行ってきており、私の区長当選後、先月の2日には都庁にて知事と面会し、今後の連携について改めて確認を行ったところです。
私も小池都知事も、切れ目のない子育て支援や少子化対策、多様性を大切にした社会づくり、ゼロカーボン社会の実現などを目指した政策を掲げております。そのため、都と区がともに連携し、政策を進めることで、より効果的な展開を期待できるものと認識しており、それぞれ都政、区政を預かる者として、良好な連携を図る一方で、江東区の最善の利益のために積極的に都との調整を進めてまいります。
次に、子育て支援分野に関する都の事業の活用状況についてです。
都の「多様な他者との関わりの機会の創出事業」は、多様な他者との関わりの中での様々な体験や経験を通じて、非認知能力の向上など、こどもの健やかな成長を図るとともに、在宅子育て家庭の孤立防止や育児不安の軽減等により、子育て支援の充実を図ることを目的とする事業となっております。
本区においては、国の定義に基づく待機児童数は、昨年度に引き続き、今年度もゼロを達成しましたが、入所希望者数が減少したことなどにより、保育園の空き定員は年々増加傾向となっております。
こうした状況を踏まえて、都の「多様な他者との関わりの機会の創出事業」の活用を念頭に、保育園等の空き定員を活用し、在宅で子育てをしている保護者が、気軽に保育園等にこどもを預けることができる事業の実施に向けた検討を始めたところです。
次に、地域経済活性化分野に関する都の事業の活用状況と今後の取組についての御質問のうち、本区の取組状況についてです。
都が令和4年度に新たに予算化した「未来を創る商店街支援事業」は、都内全域の商店街を対象としておりますが、採択件数は5件に限定され、事業認定の獲得が非常に困難な補助事業です。
本区では、本事業について、昨年2月に各商店街への周知を行い、区内の商店街から事業実施希望の申出がなされたことから、3月には、商店街関係者を中心とする検討会に、区・都の関係機関や専門家とともに参画し、事業計画の検討を開始いたしました。その後、区の職員も10回以上参加し、検討を重ねてまいりましたが、コロナ禍で商店街内の意見調整が難航したこともあり、事業申請に至らなかったところです。
次に、商店街活性化に向けた補助金の活用方法についてです。
現在、社会経済環境は目まぐるしいスピードで変化しており、このような状況で商店街の活性化を推進するには、都・区のほか関係機関の連携と、各機関で実施する支援策の効果的な活用が重要であると認識しております。
区といたしましては、区内商店街が「未来を創る商店街支援事業」等の充実した支援策が活用できるように、引き続き、丁寧な相談支援を実施するほか、都や区の様々な補助メニューを連動させた支援策の情報発信・提供に努めてまいります。
次に、高齢者の社会参加の促進と暮らしへの支援に関する都の事業についてです。
まず、「TOKYOシニア食堂推進事業」に対する考え方についてです。
本事業は、高齢者が参加することができる会食活動事業、または地域住民等が運営主体となる高齢者を対象とした会食活動の支援事業を実施する区市町村に対し、その経費の一部を補助するものです。
シニア食堂は、高齢者の社会的孤立の解消や生きがいづくりに有効な手段の一つであると認識しております。
次に、本事業に対する取組についてです。
本区では、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域の実情に応じた町会・自治会、管理組合など、地域主体の見守りを行う活動を支援しており、その取組の中で会食も行っております。
また、地域の皆さんが主体となって運営する定期的な通いの場であるご近所ミニデイでも、食事の提供を行っております。
本事業については、現時点で東京都より要綱が示されていないため、詳細が分かり次第、地域のニーズ等を伺いながら、本制度の活用について検討してまいります。
なお、その他の御質問につきましては、所管部長が答弁いたします。
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