江東区議会議員 中島雄太郎

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都区連携 本会議 2025年9月19日

遊休都有地は区民の資産──都有地戦略台帳による能動的活用の提案

📋 この質問のポイント

目的

区内には都有地が多数存在するが、実態としては所管課のニーズがたまたま一致した場合にのみ検討が進み、ニーズがない土地は具体的な検討がなされないまま遊休化している。区民サービスの機会損失、区の主体性の欠如、地域環境と資産価値への悪影響という3つの課題を指摘し、区独自の都有地戦略台帳の整備、台帳の一元管理と戦略的区分、都への戦略的提案という具体策を提案した。

質問

  1. 都が公表する都有地リストをどのように活用しているか。単なる情報共有にとどまっていないか。
  2. 所管課にニーズがない土地についてこそ、将来の人口動態や公共施設需要を見据え、区全体として横断的・中長期的に活用可能性を評価、検討する戦略的な仕組みが必要ではないか。新たな評価体制を構築する考えはあるか。
  3. 活用優先度の高い都有地について、都に対する要望・提案のこれまでの実績と今後の計画を問う。

答弁

都有地リストの活用状況(政策経営部長)

都は都有地活用推進本部を設置し、活用可能性のある都有地を定期的に区市町村へ情報提供しており、令和7年8月現在、本区では28か所の土地が示されている。区では情報提供地一覧が更新される都度、長期計画で計画化しているハード事業を中心に、所在地や敷地面積、用途地域や容積率等の与条件を踏まえて活用を検討していると答弁した。

戦略的な評価の仕組みの構築

区に情報提供される土地以外は一義的に都が利活用を判断するものであり、遊休地であっても都の利活用方針や計画で用途が限定されている土地であるとの認識を示し、区が戦略的かつ主体的に活用を評価、検討する仕組みの構築は困難と答弁。一方、区の施策を進めるに当たり用地確保が必要不可欠な場合には積極的に都と協議するとし、利活用が図られるまでの適切な維持管理と早期の活用については都に対して強く求めるとした。

都への要望・提案の実績と今後

これまで保育園等の整備のほか、亀戸九丁目の特別養護老人ホーム、塩浜二丁目の障害者入所施設、有明西学園、昭和医科大学江東豊洲病院など、区有地にはない比較的大規模な土地を含め、都への働きかけにより都有地の取得や賃借による活用を図ってきたと答弁。今後も長期計画で掲げた公共施設等の整備に当たり、立地・面積・用途制限等の条件を満たす土地が都有地である場合には、主体的かつ積極的に働きかけるとした。

結果

区内の情報提供対象都有地が28か所であることと、活用検討が長期計画のハード事業を起点とした受け身の仕組みにとどまっている現状を確認した。提案した戦略台帳等の新たな評価体制については「構築することは困難」との答弁にとどまった。一方、遊休化した都有地の維持管理と早期活用を都に強く求める姿勢、用地確保が必要な場合の積極的な都との協議は確認しており、個別の都有地活用事例を通じて区の能動的な関与を引き続き求めていく。

📄 議事録全文を読む

※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。

 大綱3点目は、都有地の活用について質問いたします。
 江東区内には東京都が所有する都有地が多数存在しております。東京都は定期的に都有地一覧を公表しており、区においてもその情報を庁内で共有しているとのことです。しかし、実態としては、その場所に所管課のニーズがたまたま一致した場合にのみ検討が進み、ニーズがない土地については、具体的な検討がなされないまま、事実上スルーされております。その結果、何年にもわたり遊休化している都有地が区内に存在するのが現状であります。
 その中には、こどもたちの声が響く保育園や高齢者の憩いの場、災害時に私たちの命を守る防災拠点となり得たはずの土地も含まれています。これは単なる空き地の問題ではありません。区民の未来にとって大きな可能性の損失です。公共の財産である都有地が長年活用されず、しかも、区として戦略的に評価、検討する体制が整っていないことは、区民の立場から極めて大きな問題であります。
 課題は3点あります。
 第一に、区民サービスの機会損失です。保育所や高齢者施設、防災拠点や公園など、区民生活に直結する施設整備の可能性が失われています。
 第二に、区の主体性の欠如です。都のリストを庁内で共有するだけでは、未来を見据えた戦略的なまちづくりにはつながりません。所管課のニーズ待ちという姿勢は、宝の持ち腐れと言わざるを得ません。
 第三に、地域環境と資産価値への悪影響です。長年放置された土地は雑草や不法投棄の温床となり、景観や治安に悪影響を及ぼします。さらに、周辺住民から見れば、放置され続ける空き地は生活環境の不安要素であり、地域のブランドイメージを損ない、ひいては区民一人一人の不動産価値や資産形成にも悪影響を及ぼす看過できない問題です。
 以上を踏まえ、質問いたします。
 区は現在、東京都が公表する都有地リストをどのように活用しているのか。単なる情報共有にとどまっているのではないでしょうか、伺います。
 現時点で特定の所管課にニーズがない土地についてこそ、将来の人口動態や公共施設需要を見据え、区全体として横断的に、かつ中長期的な視点で活用可能性を評価、検討する戦略的な仕組みが必要です。このような新たな評価体制を構築する考えがあるか伺います。
 そして、その評価に基づき、活用優先度の高い都有地については、東京都に対して区として主体的に要望・提案を行うべきです。これまでの実績と今後の計画について教えてください。
 私は、現状の受け身の姿勢を脱却し、区が能動的に都有地活用をリードするための仕組みとして、以下の具体的な提案をいたします。
 第一に、区独自の都有地戦略台帳の整備です。所在地、面積などの基礎情報に加え、周辺の人口動態や公共施設需要を整理、分析し、活用優先度マップとして可視化します。これは単なるリスト作成ではなく、区の未来を描くための羅針盤をつくる作業です。
 第二に、台帳の一元管理と戦略的区分の設定です。現時点でニーズがある土地、将来ニーズが想定される土地、暫定的な活用が可能な土地といった区分を設け、区として一元的に管理します。区民にもこれを公開し、公共資産活用の見える化を徹底的に進めるべきです。
 第三に、都有地活用要望リストに基づく東京都への戦略的な提案です。台帳の分析に基づき、短期的には防災倉庫や駐輪場、民間活力を導入したイベントスペースなどの暫定利用、中長期的には、保育所や高齢者施設など区民サービスに直結する施設整備を東京都に対して戦略的に提案すべきです。
 これらの提案を実行することで、区民サービスの抜本的向上、地域の魅力と防災力の向上、新たな財源の確保や地域経済の活性化といった大きな効果が期待できます。
 都有地は区民にとって貴重な公共資産です。しかし、現状は所管課のニーズがたまたま合致したときだけ検討が進む受け身の仕組みにとどまっています。長年放置される空き地は、景観や治安を損なうだけでなく、周辺の不動産価値を下げる要因となり、区民にとって経済的損失にもつながります。東京都待ち、所管課待ちの姿勢から今こそ脱却し、江東区自らが未来を描くため、戦略的に都有地を把握、評価し、東京都に積極的に提案していく仕組みを構築することを強く求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

28:
◯政策経営部長(炭谷元章) 次に、都有地の戦略的活用に向けた仕組みの構築についてお答えいたします。
 初めに、都有地リストの活用についてです。
 東京都では、保育所等の整備をはじめ、都と区市町村が連携して取り組む広域的な行政課題等の解決に資するよう、都有地活用推進本部を設置し、活用可能性のある都有地を全庁的に洗い出し、定期的に区市町村に対して情報提供を行うとともに、情報提供地一覧として都のホームページにおいても公表をしているところです。
 対象地は、100平方メートル以上で、建物を建てることが困難な土地を除き、原則、都として具体的な活用や処分が決まっていない土地とされており、令和7年8月現在で、本区においては28か所の土地が示されております。
 本区ではこの情報提供地一覧が更新される都度、長期計画で計画化しているハード事業を中心に、所在地や敷地面積、用途地域や容積率等の与条件を踏まえ、その活用について検討を行っております。
 次に、都有地の活用を区が戦略的に検討する仕組みの構築についてです。
 本区では、将来の人口動態や行政需要を見据え、区全体として横断的に、かつ中長期的な視点で取り組むべき施策を長期計画として取りまとめ、その実現のため用地の確保が必要な場合に、都有地の活用を検討しております。
 また、都として区が利活用することが可能と判断された土地は網羅的に区に情報提供されている一方で、それ以外の土地については、一義的に都が利活用を判断するものであり、現状で遊休地となっている土地であっても、都としての利活用方針が決定している、あるいは都の計画等で利活用の用途が限定されている土地であると認識しております。
 そのため、区が戦略的かつ主体的にその活用を評価、検討する仕組みを構築することは困難であると考えておりますが、区の施策を進めるに当たり、用地の確保が必要不可欠な場合には、その活用について積極的に都と協議をしてまいります。
 なお、土地の利活用が図られるまでの適切な維持管理と早期の活用については、周辺環境への影響も鑑み、都に対して強く求めてまいります。
 次に、東京都に対する要望・提案の実績と今後の計画についてです。
 これまでも保育園等の整備に当たり都有地を積極的に活用してきたほか、亀戸九丁目の特別養護老人ホームや、塩浜二丁目の障害者入所施設、有明西学園、昭和医科大学江東豊洲病院など、区有地にはない比較的大規模な土地を含め、区の様々な施策を進める上で都有地の確保が不可欠なものについては、都に対し強く働きかけを行い、都有地の取得や賃借によってその活用を図ってきたところであります。
 今後につきましても、長期計画で掲げた公共施設等の整備に当たり、立地、面積、用途制限の有無等の条件を満たす土地が都有地である場合には、都に対して主体的かつ積極的に働きかけを行ってまいります。

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