猛暑にどう向き合うか──プール授業の継続と越中島プールの営業延長を問う
目的
急激な地球温暖化に対し、行政サービスの側も迅速に対応し、区民の生命と財産を守る必要がある。区独自の温暖化対応策の検討プロセス、温暖化の影響を受けやすいこどものプール授業の継続策、越中島プールの営業期間延長など、猛暑を前提とした既存行政サービスのアップデートを求める。
質問
- 急激な地球温暖化への区の対応方針と、国・都と連携した施策実施に加えた区独自の温暖化対応策の検討状況・具体的プロセス
- 本年度の区内小中学校のプール授業実施率
- 屋外プールでの授業継続に向けたハード面(日よけ・テント設置等)・ソフト面(授業時間短縮・早朝実施等)の検討と、民間委託の検討状況
- 越中島プールの9月末までの営業期間延長に関する検討状況
あわせて、じゃぶじゃぶ池の9月末までの期間延長と、緑地拡大・建築物の断熱性能向上・再生可能エネルギー導入促進など長期的視点に立った施策の検討を要望した。
答弁
気候変動への対応(区長)
区は令和3年7月にゼロカーボンシティ江東区の実現を表明し、昨年度にロードマップとなる実現プランを策定、今年度末には江東区環境基本計画の策定を予定していると答弁。再生可能エネルギー設備等の費用助成による導入促進に加え、他自治体にない独自の環境検定や環境フェア等を実施しており、都や関係団体と連携しながら実効性の高い事業を構築し推進するとした。
プール授業(区長)
今年度の実施率は、一部天候による延期はあったものの全校で予定どおりの内容を実施したと答弁。ハード面では、プールサイドの日よけを各校に設置済みで、屋根の後付けは建築基準法等に照らし困難だが、新たな改築計画ではプールサイドにひさしを設置し暑さ対策に考慮した設計を進めている。ソフト面では熱中症対策ガイドラインに基づき、実施時期の調整等の対策を既に講じている。民間委託については、他自治体の実施状況を踏まえメリット・デメリットを考慮し総合的に判断するとした。
越中島プールの営業期間延長(区長)
唯一の区立屋外プールとして利用者数は年間2万人超。気温上昇を踏まえ、指定管理者と協議の上、現在は9月第2週の土日を特別に開場している。開場期間の延長は区民のスポーツ振興や健康増進に一定の効果があると認識する一方、清掃・水質管理等の施設管理負担の増加や、監視員・受付スタッフ等の人員確保の課題があり、他自治体の事例も参考に費用対効果等の視点を踏まえ総合的に検討するとした。
結果
プール授業が全校で予定どおり実施されたことを確認し、改築時のひさし設置による暑さ対策設計が進められている点を答弁で確認した。越中島プールの営業延長については、区が効果を認識した上で総合的に検討するとの答弁を得た。民間委託・営業延長とも検討段階にとどまっており、次年度以降の対応を引き続き確認していく。
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※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。
次に、温暖化対策について伺います。
急激な地球温暖化に対し、行政サービスも迅速に対応し、区民の生命と財産を守る必要があります。改正気候変動適応法により自治体が指定できるようになったクーリングシェルターの設置は、熱中症から区民を守る上で意義のある施策だと評価しております。
江東区文化センターに設置されたクーリングシェルターも、日中、多くの区民に利用されており、連日の灼熱の中では、気軽に利用できるクールスポットを多数設置することが、区民の熱中症予防に大きく寄与すると感じております。
しかし、クーリングシェルターの設置にとどまらず、熱中症から区民を守るためには、様々な既存の行政サービスの変更も必要だと考えます。そこで、本区として急激な地球温暖化への対応をどのように考えているか、国や東京都と連携した施策実施に加え、本区独自の温暖化対応策についてどのように検討しているか、現在進めている具体的なプロセスを伺います。
次に、温暖化の影響を受けやすいこどもの発達・学習環境について伺います。
特にプール授業に関して、本年度の区内小中学校のプール授業実施率はどの程度か、伺います。
東京都内では、葛飾区や昭島市、多摩市などがプール授業の民間委託を始めています。民間委託のメリットとしては、専門的な指導員による質の高い授業の実施、施設維持管理コストの削減、年間を通じた水泳指導の実現などが挙げられます。
一方、デメリットとしては、移動時間の確保や交通費の発生、天候に左右されにくい反面、自然環境での水泳体験の機会減少などが考えられます。本区としても、これらの点を踏まえ、今後のプール授業の在り方について慎重に検討する必要があると考えます。
屋上プールでの授業実施が困難になる中、今後のプール授業継続についてどのような検討を進めているのでしょうか。屋上プールでの授業の継続を探るなら、プールサイドに日よけやテントを設置するなどの改修も考えられますが、そういったハード面での対応の検討、また、授業時間を短縮して30分にするとか、早朝に授業を実施するといったソフト面での対応の検討はあるのか、民間委託の検討の状況も含めて伺います。
温暖化による行政サービスの需要変化には拡充可能なものもあります。例えば、越中島プールの営業期間延長について、9月末までの営業延長に関する検討状況をお聞かせください。
越中島プールは区民に親しまれている屋外プールであり、50メートルプールや幼児プールを備え、大人からこどもまで幅広い年齢層が楽しめる施設です。また、区営のため利用料金が手頃で、多くの区民が気軽に利用できる点も魅力です。近年の9月の気温上昇傾向を考慮すると、区民の健康増進やレジャー活動の充実のため、営業期間の延長は有意義な施策になる可能性があります。
同様に、現在、9月第2週の日曜日までとなっているじゃぶじゃぶ池について、本年は9月8日で終了しておりますが、9月20日の本日も35度に迫る気温ですから、9月末まで延長することは十分に可能だと思います。併せて検討を要望いたします。
最後に、温暖化は既に人類の存続可能性の脅威となっています。対処療法的ではなく、将来を見据えた先回りの対策で、区民の生命と財産を守る行政サービスのアップデートを期待いたします。例えば緑地の拡大や建築物の断熱性能向上、再生可能エネルギーの導入促進など、長期的視点に立った施策の検討も重要です。
以上の点について、区のお考えをお聞かせください。
温暖化対策は喫緊の課題であり、区民の生活に直結する問題です。本区の先進的な取組に期待いたします。
以上で私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
45:
◯区長(大久保朋果) 中島雄太郎議員の御質問にお答えいたします。
初めに、気候変動への対応についてです。
急激な地球温暖化による気候変動は、近年、我が国のみならず、地球規模で頻発する大規模な自然災害を引き起こし、各地で甚大な被害をもたらしていることから、世界的に解決すべき重要な課題であると認識しております。そのため、国では、地球温暖化の大きな要因である二酸化炭素の排出抑制に向け、2050年までに排出量実質ゼロを目指し、脱炭素社会の実現に向けた取組を加速させ、強化しています。
こうした状況を受け、本区も令和3年7月、ゼロカーボンシティ江東区の実現を表明いたしました。この実現に向け、従来の二酸化炭素排出目標を大幅に上方修正し、地球温暖化対策をより加速するため、昨年度はロードマップとなるゼロカーボンシティ江東区実現プランを策定し、今年度末には、環境保全の大綱を示す江東区環境基本計画の策定を予定しております。
脱炭素社会の実現には、国や東京都によるエネルギー政策の転換や先進的取組の推進、さらに民間事業者等による技術革新が必要となります。
そして、住民に最も身近な自治体である本区は、区民や事業者等に対する周知啓発や、一人一人の行動変容につなげていくことが重要と考え、再生可能エネルギー設備等の費用助成による導入促進に加え、他の自治体にない独自の環境検定や環境フェア等の事業を実施しております。
今後も引き続き、2050年のゼロカーボン実現という高い目標を達成するため、区民や事業者等とともに考え行動するとともに、国の動向を注視しつつ、東京都や関係団体と連携しながら、将来を見据えた実効性の高い事業を構築し、積極的に推進してまいります。
次に、温暖化の影響を受けやすいこどもの発達・学習環境についてお答えいたします。
まず、今年度の区内小中学校でのプール事業の実施率ですが、一部天候により延期等がありましたが、全校において予定どおりの内容を実施できてございます。
次に、屋外プールを継続するための検討内容についてです。
ハード面として、現在、屋外プールについては、プールサイドの日よけ等を各校に設置しております。屋根等の設置については、プールが学校敷地の大きさなどから校舎の上階に設置されたものが多く、後から屋根を設置することが建築基準法等に照らし困難な状況にありますので、新たな改築計画を実施する場合につきましては、プールサイドにひさしを設置し、暑さ対策に考慮した設計を進めているところです。
また、ソフト面として、本区では熱中症対策についてのガイドラインを作成し、学校、幼稚園において周知徹底を図っております。
全校園においてガイドラインに基づき、熱中症対策を講じておりますが、プールの学習が計画どおり実施できるように、実施時期を調整するなどの対策を既に講じているところでございます。
なお、民間委託への検討状況については、他の自治体での実施状況を踏まえ、委託するメリット・デメリットを考慮して総合的に判断してまいります。
次に、越中島プールの営業期間延長についてお答えいたします。
越中島プールは唯一の区立屋外プールとして、夏休み期間中のこどもたちや高齢者、競技志向の方まで幅広い層に御利用いただき、利用者数は年間2万人を超えております。
営業期間については、気温等の影響を受ける屋根のない屋外プールであることから、7月の第1土曜日から9月の第1日曜日までと設定しております。しかしながら、昨今の地球温暖化による気温の上昇を踏まえて、指定管理者と協議の上、現在は9月の第2週の土曜日と日曜日についても特別に開場しているところです。
御提案の越中島プールの開場期間の延長については、プールを利用できる日が増えることで、区民のスポーツ振興や健康増進に一定の効果があると認識しております。
一方で、営業期間のさらなる延長に当たっては、延長によるプールの清掃や水質管理などの施設管理に伴う負担の増加や、プール監視員や受付スタッフなどの必要な人員体制の確保等の課題があり、慎重な検討が必要であると考えております。
今後、他自治体の事例なども参考にし、安全な施設運営や費用対効果等の視点を踏まえて総合的に検討してまいります。
その他の御質問につきましては、所管部長が答弁いたします。
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