江東区議会議員 中島雄太郎

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福祉医療 本会議 2023年11月30日

赤ちゃんポストの議論の前に──悩みを抱える妊婦を支える相談体制

📋 この質問のポイント

目的

墨田区の賛育会病院が令和6年度中の赤ちゃんポスト設置の考えを表明した。設置された場合、一時保護や社会的養護を担うのは東京都の江東児童相談所であり、本区行政との連携も不可欠になる。熊本・慈恵病院の当事者第1号である宮津航一氏への聞き取りも踏まえると、赤ちゃんポストはあくまで最終手段であり、利用を検討するまで追い込まれた人への相談窓口とケアの体制整備こそが先に重要である。区独自の窓口がない現状における、都の妊娠相談ほっとラインとの連携と区の支援体制を確認する。

質問

  1. 妊娠相談ほっとラインへの相談者が本区住民と判明した後の、当事者への本区の支援体制の現状を問う。
  2. 本区のゆりかご面接によって、妊娠相談ほっとラインに相談すべき事例が判明することがあるか、ある場合はどのように対応しているかを問う。

答弁

ほっとラインとの連携(区長職務代理者副区長)

妊娠の継続に悩みを抱える妊婦の相談・支援は「大変重要」と認識していると答弁。匿名相談のニーズが強いため、都のほっとラインを区ホームページや母と子の保健バッグで周知している。ほっとラインには年間4,000件超の相談があり、住所地が判明し同意が得られたものは区市町村に情報提供される。提供を受けた区は各保健相談所で情報共有するほか、相談内容に応じて子育て支援課・養育支援課・配偶者暴力相談支援センターなど関係所管と連携して対応する準備を行っていると説明した。

ゆりかご面接での対応(区長職務代理者副区長)

母子保健業務は妊娠届の受理から始まる区市町村業務であり、氏名・住所が確認された場合は区で責任を持って対応すると答弁。助産師・保健師等の有資格者によるゆりかご面接で精神状態や経済的困窮、配偶者からの暴力などの要因を確認し、問題がある場合は子ども家庭支援センター等の関係機関と連携する。経済的困窮のある妊婦には入院助産制度を案内するなど、費用面の不安を和らげる支援をしていると説明した。

結果

ほっとラインからの情報提供を起点とした関係所管との連携フローと、ゆりかご面接を入口とする区の支援体制の全体像を答弁で確認した。区は都から情報提供されたケースに「きめ細かく対応」すると表明した。墨田区の赤ちゃんポスト設置の動向と、区の相談・支援体制の運用状況を、引き続き所管委員会で確認していく。

📄 議事録全文を読む

※ 江東区議会会議録より引用。読みやすさのため改行・句読点を一部調整しています。

 大綱3点目は、妊娠相談への対応について質問いたします。
 いわゆる赤ちゃんポストについて、本区においては木村前区長が公約としておりましたが、前区長の辞職に伴い白紙になったものと現状認識しております。しかし、隣区の墨田区において、賛育会病院が来年度、令和6年度中に赤ちゃんポストを設置する考えを表明いたしました。
 墨田区に赤ちゃんポストが設置された場合、ポストに預け入れがなされた後に一時保護の措置やその後の社会的養護、また、特別養子縁組を視野に入れた里親探し等を行うのは東京都の江東児童相談所であり、本区の行政との連携も不可欠になると思われます。
 そういった状況を踏まえ、私は、赤ちゃんポストを取り巻く課題について理解を深めるために、赤ちゃんポストに預け入れられた当事者である宮津航一さんにオンライン会議で話を伺いました。宮津さんは、熊本市の慈恵病院に設置されたこうのとりのゆりかご、現在、国内唯一のいわゆる赤ちゃんポストに預け入れられた当事者第1号であり、唯一実名で当事者であることを公表している方です。
 宮津さんいわく、赤ちゃんポストのない社会が理想ではあるが、赤ちゃんポストが必要とされている現実がある。今、自分自身の人生があるのは赤ちゃんポストがあったからであり、そうした命の受皿である赤ちゃんポストが、現状、日本で熊本にしかないのはいびつである。
 熊本の慈恵病院には日本全国から、とりわけ人口の多い関東からの相談が多いことから、東京に赤ちゃんポストが設置されれば、出産が間近に迫り悩みを抱える妊婦が、新幹線や、時には妊娠を隠して飛行機で熊本までリスクを冒して行くことなく相談できることになり、それは悩みを抱える母子の安全のためにも必要ではないかというお話でした。
 熊本の慈恵病院では、令和元年度は、11件の預け入れに対して、赤ちゃんポストの利用の検討を含めた妊娠・出産に係る相談が約7,000件、年間で寄せられています。この24時間365日無料の電話相談窓口において、相談者の悩みを聞き、相談者に寄り添って悩みの解決に取り組むことにより、水際で赤ちゃんポストへの預け入れを防止しています。
 慈恵病院が平成19年度から令和元年までの14年間に実施した赤ちゃんポスト利用者の調査によると、親がこどもを赤ちゃんポストに預け入れた理由は、生活困窮が約30%、未婚であること、シングルマザーになることが約20%となっており、これらの問題は、適切な行政のケアがなされれば解決の可能性があるものです。つまり、赤ちゃんポストはあくまで相談では問題の解決に至らなかった場合の最終手段であり、重要なのは、様々な事情で赤ちゃんポストの利用を検討するまで追い込まれている人たちに対する相談窓口とケアであるというふうに考えております。そういった人たちの悩みを聞き、寄り添い、問題解決の手伝いを行える体制の整備が、赤ちゃんポストそのものの設置よりも前に重要であると考えます。
 現状、江東区独自でそういった切羽詰まった妊娠・出産相談を受け付ける窓口はなく、東京都の妊娠相談ほっとラインがその役割を担っているという認識です。
 妊娠相談ほっとラインへ相談する人たちの中には本区の住民もいると思われますが、本区の住民だと判明した後の当事者への本区の支援体制の現状について伺います。
 また、あわせて、本区の実施している妊婦を対象としたゆりかご面接によって、妊娠相談ほっとラインに相談すべき事例が判明することがあるのか、ある場合はどのように対応しているのか、伺います。
 以上で私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございます。(拍手)

37:
◯区長職務代理者副区長(大塚善彦) 中島雄太郎議員の御質問にお答えをします。
 初めに、妊娠相談への対応についての御質問のうち、都の妊娠相談ほっとラインとの連携及び区の支援体制についてであります。
 予期せぬ妊娠や経済的困窮、精神的抑鬱や社会的孤立などにより、妊娠の継続について悩みを抱える妊婦の相談やその支援については、区としても大変重要であると認識をしているところであります。
 一方で、妊娠の継続に関しての悩みはプライベートな部分が多々あり、匿名で相談をしたいというニーズが強いことから、まずは匿名での相談が可能な窓口として都の妊娠相談ほっとラインの窓口を区のホームページで周知するほか、妊娠届の受理時にお渡ししている母と子の保健バッグにリーフレットを同封しております。
 都の妊娠相談ほっとラインには年間4,000件を超える相談が寄せられております。その多くが匿名となっている状況の中で、一部住所地が判明した妊婦のうち、同意が得られたものに関しては、住所地の区市町村に情報提供がなされることとなっております。
 妊娠相談ほっとラインから区への情報提供では、江東区在住であること以外の情報がない場合が多く、各保健相談所に相談があった場合の対応を行うよう情報を速やかに共有することに加え、提供された相談内容から、きょうだいがいる場合には子育て支援課に、また、相談内容から虐待が疑われる場合には養育支援課に、そして、配偶者からの暴力に悩んでいることが分かった場合には配偶者暴力相談支援センターなど、関係する所管と緊密な連携を図り、相談に対応するための準備を行っております。
 また、妊婦本人から相談があった場合には、ゆりかご面接を御案内しつつ、関係所管と協力しながら安心して出産できる体制を整えていることを御説明するなど、妊婦に寄り添って支援をしているところであります。
 次に、区のゆりかご面接から都の妊娠相談ほっとラインに御相談するケースについての御質問でありますが、母子保健業務は妊娠届の受理から始まる区市町村業務であり、妊娠届から妊婦の氏名・住所が確認された場合、区で責任を持って対応を行ってまいります。
 まずは、助産師・保健師等の有資格者によるゆりかご面接を行い、妊娠に関する事項について説明しつつ、妊婦の精神状態を確認し、経済的困窮や配偶者の暴力など、妊娠の継続や出産に影響を及ぼす要因がないかなどを確認しております。
 その上で、問題がある場合には、子ども家庭支援センターや養育支援課、配偶者暴力相談センターなどの関係ある所管部署や機関と連携をしながら対応を行っております。
 経済的困窮のある妊婦については、生活保護世帯や住民税非課税世帯で出産費用が出産育児一時金よりも低額になる入院助産制度を御案内するなど、出産に関する費用やその他の御心配を和らげていただけるよう、支援をしております。
 妊娠・出産に関わる事項は区市町村の業務であり、今後も引き続き、東京都から情報提供がされたケースについては、きめ細かく対応してまいります。
 なお、その他の御質問につきましては、所管部長が答弁をいたします。

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